法介の『ゆゆしき世界』

ご本尊について / 5

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法介 2024/10/13 (日) 03:38:26

この部分を分かりやすく現代語に訳しますと次のようになります。

 この三諦を丸めて一つにするのを総の三諦というのである。この総の三諦はまた三身即一の本覚の如来である。また寂光土を鏡にたとえ、同居土と方便土と実報土の三土を鏡に映る像にたとえる。四土も一土である。三身もその体は一仏である。法華経では、この三身と四土とが和合して仏の一体の徳であるのを寂光の仏というのである。この寂光の仏をもって円教の仏となし、円教の仏をもって寤の実仏となすのである。他の三土の仏は夢中の権仏である。

 以上述べたことは、三世の諸仏が同じ語をもって勘文した総の教相であるから、人の言葉を入れる余地もなく、会通会釈も必要ない。もしこの仏説に違うならば、三世の諸仏に背きたてまつる大罪の人であり、天魔外道である。

 なんとなれば、このような人々は永く仏法に背くからである。この法門は秘蔵して他人に見せてはならない。もし秘蔵することなく、みだりにこれを披露するならば、仏法の奥義を証することなく、現当の二世に冥加を蒙ることがないであろう。万一誹謗する人が出てくるならば、三世の諸仏に背くことになるから、謗ずる者も披露した者も、二人ともどもに悪道に堕ちるということを知っているゆえに、みだりに見せることを戒めるのである。

 ゆえに心ある者はよくよくこれを秘蔵して、深く妙法の理を証し、三世の諸仏の御本意にかない、二聖・二天・十羅刹女等の擁護を受け、滞りなく上上品の寂光世界に往生を遂げ、たちまちの間に九界生死の夢のなかに帰ってきて、身を十方法界の国土にいきわたらせ、心を一切有情の身中に入れて、内からは勧発し、外からは引導して、内外相応じ、因縁和合して自在神通の慈悲の力を施して、広く衆生を利益すること滞りがないであろう。

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