法介の『ゆゆしき世界』

虚空絵(一) 法介のほ~『法華経』その⑦ / 15

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法介 2023/10/12 (木) 04:42:53

救急車で兄の自宅まで運ばれた父は、病院で付けられていた管や装置は一切外され、仏間の御本尊の前に布団を敷き、後ろに布団をあてがって上半身を起こして父は唱題を始めました。

私達兄姉も父を囲むように座り父の唱える声にならないお題目にあわせ皆で唱題しました。十数分でしょうか父がもういいといって今度は自分の御書をくれと言い、兄が手渡すと自分が好きな御書のページを開いて目を通すと満足そうに兄に御書を返して、

「寝かせてくれ」

といって当てていた布団をどけ、寝床に就かせると静かに眠りについた。

いや、まだ死んではおりません。

ただ、眠りについただけです。

眠りについてどれくらい経ったであろうか。

2~3時間ぐらいだったかと思います。

私が父の様子を見に行くと、呼吸がだんだん弱くなっていくのを確認しました。

兄が、

「そろそろやね」

と言った。

皆が父を囲み右手を私が左手を長女がそれぞれ握りしめ、

「お父さんありがとう」

と皆がそれぞれ最後の別れを告げた。

それを聞き取ったかのように父の呼吸が静かに止まった。

お父さん、あなたの子として生まれて来た事を誇りに思います。

兄姉皆、同じことを心の中でつぶやいたであろう。

ここに、わたしのyahoo知恵袋での投稿があります。どうか目を通されて下さい。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14280361174

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