法介の『ゆゆしき世界』

三周の説法 法介のほ~『法華経』その⑥ / 18

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法介 2023/09/24 (日) 06:24:04 修正

仏教では主観や客観での認識ではなく、主観、客観を空じた空観に意識を置いて縁起で物事を捉えます。その縁起は、によって結果として今現在の姿があるます。観るという漢字をあてがうのは「見る」のではなく過去の因や縁を観じ取っていくから「観る」と書いております。観音菩薩が音を「聞く」のではなく音を「観じる」と書くように、仏の空観にあっては五蘊による認識(第六意識)ではなく、深層意識である第七末那識が意識となります

この因縁果からなる縁起の法門を「法」という角度から説いたのが法説周で、仏の「智慧」という角度から説いたのが譬喩周です。そして最後の因縁説周は「因縁」という角度から因縁果を次のように説いております。

 =釈迦と弟子達の三千塵点劫の過去の因
 十二因縁(順観と逆観)
 =現在の師弟の関係(釈迦在世の)

因縁説周では、最初に三千塵点劫の因縁の話があって次に十二因縁が順観と逆観とで紹介されます。そして最後に「化城宝処の譬え」が説かれます。その一連の話の中で最初からしつこいくらいに言い続けている言葉があります。

「今の宮殿の明るい光は昔から一度もあったことがない。」

どういう因縁によってこの現象が現われたのか。」

という言葉です。途中、それは仏が出現したからだという説明が入るのですが、その後に「化城宝処の譬え」が始まって、結局のところ、この現象は仏が智慧によって起こした現象であったという事が解ります。開三顕一の「法」をここでは因縁をもって示しているんです。法が転じて法身となり、智慧が転じて般若となり、因縁が転じて解脱となって実在の世界に顕われます。

三周の説法の中で一番奥が深いお話だと思います。

そういった事を頭に入れて今一度読み直してみるとおもしろいですよ。
https://syoubou.wordpress.com/妙法蓮華経化城喩品第七(みょうほうれんげきょ/

実は、まだあるんです。このお話の中に組み込まれている大事なお話が。

天台智顗は「四種四諦」を説いておりますが、その根拠となり得る内容がこの「化城喩品」の中に明確に示されております。

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