あんみつが住んでいる地域は多摩区と呼ばれ、東京駅から西に位置する。
2人は立川で合流すると、中央線に乗って目的地に向かうことにした。
名古屋からやってきた田舎者の御ハッサ厶は、初めての都会の景色に目を輝かせていたが、あんみつは重苦しい表情をしていた。
脅迫状の文には続きがあったのだ。
あんみつ「…駅に来た上で、9人の刺客を皆殺しにしろ、か」
御ハッサム「連中、先輩が戦う姿を見て楽しもうって魂胆ですよ。全く、どこまでゲスなんだ!」
2人が座席に座ったその瞬間──
???「──おっと、馴染みの顔だねえ」
あんみつ「──!」
咄嗟に身を構えるがもう遅い。正面に立っている男は、ふところに──コートを羽織っていて見えにくいが、世界最強の拳銃デザートイーグルを忍ばせている。
電車が動き始め、車内がガタンガタンと揺れる中で、銃口を向けられた御ハッサムは硬直していた。
御ハッサム「柿崎さん…あなた、まさか連中の狗に成り下がったのですか…?」
その問いかけに、全身黒づくめの男柿崎はひっひっひっと笑う。おどけた様子でこれは異なことを、と言った。
柿崎「あっしはFXで背負った借金1億を、ここにいる9人のコテハンを倒せば肩代わりしてくれると約束されたんだが──」
柿崎「どうやら事はそう単純ではないらしいねえ」
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