みんポケ!

【SS】バトルロイヤル / 26

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あんみつ 2020/06/01 (月) 00:51:54

 電車がトンネルに入り、ようやく東京駅へと到着したと思われたが──
 車体は大きく揺れて、急ブレーキがかけられた。

御ハッサム「おわっ──」

 先ほど老人柿崎に席を譲っていたため、立っていた御ハッサムのみ転倒する。

あんみつ「人身事故…でしょうか」

柿崎「さて?」

 自粛中といえど、中央線には多くの乗員が乗っている。人々は不安の表情を浮かべ、とりあえずスマホを取り出しざわつき始める。
 するとそこへ──

「あぎゃああああああああああああああ!!!」

 隣の車両から、大男が叫び声を上げながら現れた。

あんみつ「まずいドリランドだ!」

御ハッサム「あれが、例の狂人ですか!?」

 狂人ドリランド、本名ロニーコールマンは人類最強と謳われた狂人である。
 扉越しに見える隣の車内は、床も壁も鮮血で染められていた。無惨にも乗客は全員引き裂かれており、惨殺と呼ぶべき光景がうかがえる。
 こちらの車内にいた人々はそれに気づき、悲鳴をあげて我先にと反対側の車両へ押し寄せたが──

ドリランド「あぎゃあああああああああああああああ!!!」

 それが裏目に出た。野獣にとって、逃げる集団を追うのは本能といって良い。ドリランドは咆哮を放つと、なだれる人々に向かって全力タックル──衝撃で10人ほどを軽く圧死させた。

あんみつ「ダメだ柿崎さん!ここは御ハッサムを連れて逃げてください!」

御ハッサム「そんな──僕も戦います!」

柿崎「いいや、残念ながらあっしの銃も、お前さんの右腕も歯が立たんだろう。ここは逃げるに限るね」

 御ハッサムは苦悶の表情を見せたが、あんみつは彼の肩に手を置いた。

あんみつ「君の力は後で必ず必要になる。そのときまで、万全の状態で待っていてくれ──銀座で合流しよう」

御ハッサム「…はい。先輩もどうかご無事で!」

 2人は窓を割って外に脱出した。

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