刹那で忘れちゃった まぁいいかこんな駄SS
根本からして違います。もはや別SSです。
西暦20XX年。第三次世界大戦、第二次世界大恐慌、阿蘇山の噴火、世界は混沌に包まれていた。
それに伴い数多の犯罪者が現れた。その数実に1億人。そんな数もの人間を所有できる程地球には刑務所は無い。
地球連邦議会はこの問題を一つの国を作ることで解決した。旧ロシア連邦に建設された犯罪者が集められた街、『Survive even at the massacre town』通称自由の街。
その街は高さ50mもの塀を超えなければ何をしても許される本当の自由の街だった。
殺しても犯しても晒しても犯罪にはならない、そんな街。
これはその街に無実の罪で入れられたとある青年の物語である。
http://zawazawa.jp/xyz/topic/782
まだまだ募集してるんでオナシャス
「はぁ…………何でこんなとこになったんだ……」
俺は悲壮感溢れるため息を着きながら一人愚痴る。
事の八端は俺の無駄な正義感だった。まぁ簡単に言うと。俺は日本のとある会社の経理をしていた。それで不正横領があって
それを見つけたことがばれて適当な罪をでっち上げられて自由の街行の刑を受けたって訳だ。
ある朝裁判所から手紙が来たんだぜ? アロフレ(27)は親殺しの罪により、『Survive even at the massacre town』へ
の
流罪とする。って手紙がな。何度確認したことか。まさか横領してたのが国のトップの親族だったとはなぁ……先輩も言って
くれりゃあいいのに。ていうか両親普通に元気に暮らしてるし。
「おい!人類の恥共!そろそろつくから準備しろ!」
看守(仮)が怒鳴り散らす。怖い。でも持ち物なんて自衛用として渡されたベレッタM92しかないんですけど……ああ、一応ガン
ポーチと防弾チョッキがあるか。
「おい恥共!今日から貴様等はこの街で暮らしてもらうッ!この中には自由があるッ!希望はないッ!だが貴様等の様な恥はこ
んな場所で十分だッ!むしろもったいなさすぎる気もするがなっ!貴様等の武運を祈っといてやろう、Bad luck!」
乗っていたバスから降りる。目の前には巨大な壁と小さなドアがあった。多分あそこから入るのだろう。現に何人かもうす
でに入っている。
アロフレェ…
「俺も入るか」
軽く銃の整備(先輩に教わった)をしてからドアを開ける。ちゃんとベレッタを構えながらな。目の前にはニューヨークの様な
街並みが広がっていた。但しゴーストタウン。
「うんうん、君はここで生活しても大丈夫そうであり〼な」
頭上から声がした。上を見上げると壁にナイフが刺さっておりその上に女性が一人立っていた。
「誰だッ!」
俺は瞬時に壁からある程度離れ銃口を彼女に向けた。彼女はそれに臆せず優雅に地面に降り立ちナイフを引き抜いた。
「私はこの街の案内人の様な事をしている元連続猟奇殺人鬼の鬱モナーであり〼。お見知りおきを」
華麗に一礼する鬱モナー。だが俺は内心ガクブルだ。先ほどの発言、案内人、よく見ると血に濡れた錆びた鋸が壁に立てか
けられている、赤色に染まった麻袋が幾つかそこらに散らばっている。これはもう何があったかは分かるだろう。臆病でよ
かった。
「さて、君が良ければ私はこの街を案内しますがどうし〼か?」
なんかワロタ
おいあんた!ふざけたこと言ってんじゃ…
支援
どうする?俺は今は犯罪者とはいえ元一般市民。銃だって先輩に軽く教わっただけだ。殆ど撃ったことはない。こう考えている
うちにグゲェとかグギャとかいう断末魔が聴こえるが多分気のせいだ。目の前の鬱モナーという案内人はかなりの実力者である
ことは確実だ。それに俺一人だとここが危な過ぎるというのも事実。よし決めた!
「すみません、お言葉に甘えることにします」
「いえいえ、そんな畏まらなくてもいいであり〼よ。私が好きでやっている事であり〼から。」
良い人でよかった。麻袋が増えている気がするけど気にしたら駄目だ。うん。
「では行き〼か。とはいってもあまり外と変わらないであり〼よ。精々死体が生えてるぐらいであり〼。」
怖いな。流石自由の街だ。まぁこの人と一緒にいる限り身の安全は保障されてるだろ。多分。
「でも死体以外はほんと普通ですね。車も通っていますし衣食住もそろっているように見えます。」
「ああ、それは自由の街とはいえルールが無いと困るであり〼でしょう?ですから通貨も発行されて〼し表の仕事をしている人
は殺してはいけないっていうルールがあり〼。これは三年目に決まったであり〼な」
へーそうなんだ。まぁ生活しやすくていいかもな。それにしてもさっきからこっちを見る視線が痛い。なんか
「おい、あいつなんで【肉屋】と一緒にいるんだ?」「そりゃああのテストに合格したって事だろ?南門にあいつはいたはずだぜ?」「あのテストの合格者って初めてじゃね?アイツそうとうな殺し屋なのか?」
とか言われてるんだけどどうしよ……
「あの、すみません。【肉屋】てなんですか?」
「私の異名であり〼。私は此れでも1年目の生き残りであり〼てな、いやぁあれはきつかったであり〼。なんせ四肢全てが義手義足になったであり〼からな。」
そういって右腕を左腕で外してみるなよ……怖いんだよ……
「ン?そういや1年目ってなんかあったんですか?」
「1年目に1億人の犯罪者がいたことは知ってるであり〼よね?その時は本物の自由の街であり〼てな、まぁ殺し合いが始まっ
たわけであり〼よ。この街の入り口は4つあるんですが1つにつき一人しか生き残れなかったであり〼。それでその全員に異
名が付き〼て北門、【鉄血流】アズマオウ。西門、【HAPPYLIFE】リーフガーデン。東門、【生存者】わい。そし
て南門、【肉屋】鬱モナー。まぁ例外も多々あり〼がな。」
なんかカッコいい二つ名だな。まぁ俺には関係ないか。あっそうだ!
「ガンショップはあります?一応自衛用に拳銃は持ってるんですけど」
「そりゃああり〼よ。裏家業しかできないような人間もいるであり〼からね。毎日のように夜中はドンパチやってるであり〼よ」
うわぁ、ベレッタM92だけじゃあキツそう…UZI位はないと駄目かな
「そういやお金は持っているであり〼か?外のお金を持っているなら両替し〼けど?」
「えっ!?いいんですか!?」
マジか、一応10万は持ってきてるけど。
「外のお金はコレクターに高く売れ〼からね。見た感じ貴方は日本人ぽいので1円、100Gで両替するであり〼よ。日本円はあまり無いから少々高めであり〼。」
100Gあればビッグマックが単品で一つ買えるらしい。むちゃくちゃ高いじゃねぇか!
「今10万円あるんですけどお願いしてもらってもいいですか?」
「………………ええ、いいですよ」
〼じゃねぇ!多分予想以上に多かったんだろうな。
「じゃあ財布渡しまsうわぁっ!?」
財布出したと同時にひったくりに盗られた。慌てて捕らえようとする。が、鬱モナーに止められる。
「ここは私が取返すであり〼よ。【肉屋 】の実力を見せるとし〼。」
鬱モナーが歪な形のナイフを取り出す。一回先輩の家で見たことがある形だな。確かアフリカ投げナイフだったはずだ。
鬱モナーはそれをまっすぐにひったくりに投げつける。その速度は非常に速くパッと見だが100㎞は超えてそうだ。当然ひっ
たくりは避けることが出来ずに足の腱を切ったのか倒れる。
「ちょっと借りるであり〼」
近くの店に置いてあったチェーンソーを手に取る。その瞬間チェーンソーの刃が突然錆び始めた。鬱モナーはひったくりに
近付きその足にチェンソーを当てて回転させ始めた。ひったくりは絶叫を上げる。いっそひと思いに切った方が何千倍も痛
みは少ないだろう。だが刃が錆びている。そう簡単には足は切れない。辺りに血をまき散らしながらチェーンソーは絶叫と
共に解体の諧謔曲 を奏でる。足が終わったらもう
片方、それも終わったら腕、それも終わったらもう片方。それが終わった時ようやくチェーンソーは鬱モナーの手を離れ
た。ひったくりも俺も通行人も安堵した表情を浮かべる。だがそれも束の間の幸福。鬱モナーは鋸を取り出した。それも刃
が所々欠けており錆ついてから何十年経過したのかと言うほどのものを。
「凌遅刑って知ってるであり〼か?中国がまだ清だった時代にあった刑罰の一つであり〼。生きたまま人を刃物でそぎ落とし
ていくのですが、嗚呼、それはもう痛いであり〼よ。本来なら8回目くらいで殺されてしまうであり〼。ですがそれだと甘美
な痛みは訪れないであり〼。ゆっくり、ゆっくり、牛歩が如き引きで削いであげ〼。死にたい程の絶望と、生きたい程の絶
頂を、貴方の身体に刻みましょう。」
俺は逃げ出した。脱兎の如く逃げ出した。奴は狂ってる。いや、この街全体が狂ってる。あんな混じりっ気のない狂気にあ
てられたら耐性の無い人間や心臓が弱い奴は死ぬ。比喩でもなんでもなくそのままの意味で死、だ。俺にはあんなもの耐え
られない。だがどうする?ここの住民に頼ることは出来ない。どこに行く?――――――そうだ!壁沿いに行けばいいっ!西が東なら
異名だけなら圧倒的にわい、つまり東の方がいいな!ていうか【HAPPYLIFE】なんて
(ジャンキー)だろ、明らかに。俺は東に向かって走り出した。side-鬱モナー-
「ああ、行ってしまったであり〼な」
私は甘美な絶頂と最低の絶望の中一人呟く。
「それにしても悲しい、実に悲しいであり〼。この絶頂が自分の物でないことが。」
私の身体は一年目の時に殆どが痛みを感じない体になってしまっています。私の体質、痛みを悦楽に変えてしまう、えーと
確か痛悦症でしたっけ?の意味がないのが非常に非常に残念です。ですが私の子供のころからあった二つの超能力の一つ、他
人の感覚を奪う物のおかげで私は悦に浸れます。ですが痛いのは嫌いです。とってもとっても嫌いです。つい1万人殺してし
まうくらいには大嫌いです。
「嗚呼、なんで言ってしまわれたのであり〼か……」
あの日本人、アロフレさんならこの悦楽を分かち合えると思ったのに。あの人からは不思議な感じがしました。何かに守護
られているような。彼が時折口にしていた先輩という人が何かしたのでしょうか?
「追いかけるであり〼かねぇ……取り敢えず西に行くであり〼か」
私は人だった物の頭を潰してから西に向かって近くの車を走らせました。
side-先輩-
吾輩はアロフレの先輩である。名前は木偶の坊。
「あ゛ぁぁぁ、あいつ南門から入っていきやがった。北門なら俺の名前出せばアズマオウが色々取り計らってくれるだろう
にもう忘れたのかよ、あいつ。」
俺は3年前、俺が持っている超能力の一つ【確定未来視】と【変動未来視】によりアイツが自由の街に入れられるという確定
された未来とアイツがそこで試験と称して鬱モナーに殺されるという変動可能な未来を見た。だから俺はアイツに銃の使い
方とかサバイバル技術とかまぁ色々教えた。それとアイツが行くとき南門と西門にだけは行くなと言っといた。まぁ今のア
イツならAK-47持たせたら同じ装備の一個分隊殺せる、ちなみに俺やアズマオウなら核やBC兵器使われない限りアメリカ全軍
相手できる。
「俺が行くまで耐えれるかねぇ……どうかわいの豪運に飲み込まれないようにしてほしいもんだ。」
俺は自家用AH-64D アパッチ・ロングボウを操縦しアロフレを助けに自由の街に向かった。
支援
「やべぇ……こっちくるんじゃなかった………」
俺は目の前の光景を見てそう呟く。実際目の前の地獄絵図に比べれば麻薬中毒者の温床の方がまだ幾分かマシなような気がす
る。
写真でしか見たことはないがそれはさながら軍艦島の様な廃墟だった。そこに一人の老人がいた。そしてその周りには無数
の飛行機やらヘリコプターやら車の残骸が無造作に置かれていた。其れも今さっき壊れたばかりの奴だ。肉片が飛び散り呻
き声が聴こえる。だが所々で小さな爆発が起きている。恐らく燃料に引火したのだろう。劈く爆発音が響くたびに呻き声は
聞こえなくなる。
だがそれでも老人は微動だにしなかった。そして火の粉や砂埃が舞い散る中何故か老人には一つの傷も無く一つの汚れも無
かった。
「ン?おいっ!そこのお主っ!儂に近付くと危ないぞ!今すぐ回れ右して立ち去れい!」
老人がいきなり話しかけてきた。だが俺は北に行かなければならない。先輩が言ってたのを思い出した。アズマオウは先輩
の友人らしく先輩の名前を出せば住む場所と安全位は確保してくれると言っていた。遠くの親類より近くの他人という諺が
あるがその他人が殺人鬼だったり麻薬中毒者の時は遠くの親類の方が幾億倍かはマシだ。
俺は一歩足を前に出す。その瞬間目の前に何かが降ってきた。慌てて数歩後ろに探す。降ってきたものを見ると小さい、本
当に小さい熱を持った小石だった。
「だから近づくなと言ったのだ。今回は運良く隕石が当たらずに済んだ様じゃがな。今度は助かるかは分からんぞ?」
どうやら目の前の老人の仕業らしい。ならば障害は排除するまで、先輩なら絶対そう言うし俺にヤレと強要する。
俺は途中で襲い掛かって来た強盗から剥ぎ取ったUZIを老人に向かって連射する。だが、老人に当たりそうになった銃弾は全
て弾かれまだ生きていたと思わしきヘリなどの操縦士に当たり絶命させた。