grffin01
e3bb61e08e
2018/05/27 (日) 23:09:50
「推理小説とミステリーの系譜」(その4) ネット時代の先に
昭和50年代 泡坂妻夫や、島田荘司の登場以降、「新本格」時代が訪れ、その影響を受けた多くの推理作家が世に出ます。しかし、その背景についての分析は後に置いておきましょう。
江戸川乱歩や、坂口安吾に始まった推理小説は世に出て、大きな転回を見せました。やがてそれは現実世界から完全に切り離され、「動機」や、「現実可能性」すら必要としない「トリックの為の殺人を追求したミステリー」(アートとしてのミステリー)が一人歩きし始めます。
その動きを受けて島田荘司氏の影響を強く受けた新本格の旗手 歌野晶午は、ネットを背景とした世界観で「密室殺人ゲーム王手飛車取り」・「密室殺人ゲーム2.0」・「密室殺人ゲーム・マニアックス」を描き、新しい試みに挑戦しています。
知的ゲームとしてはミステリーのこの様な流れには興味を魅かれるところがあります。
しかし近年 現実の犯罪の中にもそういった「価値観の逆転」が垣間見える事があるのは、恐ろしいことです。
( ⇒ 続く )
通報 ...