56年前に名古屋に移り住んだとき、味噌汁の「赤だし」を味わい、コクのある味わいが好きになって、それからは名古屋の味噌で味噌汁を作るようになりました。味噌は赤味噌でした。赤味噌(豆味噌)にだし、米みそを混ぜて味を調合したものを「赤だし」と呼んでいるようです。
インターネットで、赤だし、赤味噌、豆味噌、八丁味噌の関係を調べてみると:(Wikipediaなど)
原料で種類が分かれる:
米みそ - 大豆と米を発酵・熟成させたもの。
麦みそ - 大豆と大麦又ははだか麦を発酵・熟成させたもの。
豆みそ - 大豆を発酵・熟成させたもの。
色の違い:
メイラード反応でタンパク質が着色することにより味噌に色が着く。強く蒸した大豆を多く使い、長期間、高温で熟成させると色が濃くなり赤味噌になり、茹でて糖分やタンパク質を流し出した大豆を、精白した米や着色の進まない系統の麹を多くあわせ、短期間熟成させると白味噌になる。
『赤みそ』:
その名の通り、見た目が赤っぽい(濃い)色をした味噌を指す総称で、愛知県では赤みそ=豆みそ。
『赤だし』:
一般的には豆みそをベースに、米みそ・調味料(だし)を配合した色の濃い調合みそを指す。
『豆みそ』:
原料が大豆・塩・水のみで、米を使用せず大豆に麹を付けた「豆こうじ」を使用した熟成期間が長い(1年~3年)の味噌。東海地方(愛知・岐阜・三重)を中心に食べられている。豆みそ=赤みそしかない。
『八丁味噌』:
元々は愛知県岡崎市にある岡崎城から八町(約800m)離れた八丁村で作られた味噌をその村の名前を冠して八丁味噌と呼び始めたのが起源とされている。製法・原料・熟成期間に関しては豆味噌と同じで違いは、”愛知県”で作られた豆味噌に関して「八丁味噌」と呼ぶ事ができる。
GIの登録に関して、愛知県の老舗2軒を除くほかのメーカーの作る豆味噌に「八丁味噌」という名称を名乗ることが認められて、「カクキュー」と「まるや」は今後「八丁味噌」を名乗ることができなくなったというのが事の発端です。
重徳和彦さんの 2018年03月14日の『日本の伝統・文化を壊す、農水省の八丁味噌GI問題』に詳しく論じられていますが、吉原さんが書いておられるように、八丁味噌の『伝統的製造法に従っているならば、岡崎の老舗2社だけでなく、地域の他の会社もGIに入れればよいと思います。その他の豆味噌製造会社は昔からある「名古屋みそ」というブランドを用いるべきです。より有名なブランドに飛びついて、これを乗っ取るというようなことはGI制定の本来の精神とは異なるものでしょう』という方向に解決されるといいですね。