1960東大理化卒同期生

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 吉原さんのエッセイに登場する八丁味噌の老舗カクキューは、八丁味噌のむかしからの製法にこだわっています。吉原さんのエッセイに添付された写真に、吉原夫妻の後ろに写っている大きな樽がありますよね。この樽の上方に注目してください。石がたくさん積んであるでしょ?

 カクキューとまるやの老舗2社は、大きな木桶に石を積んで2年以上長期熟成しています。樽の中の原料は水分が少なく、均等に圧力をかける必要から、合計3トンに及ぶ石を円錐状に積み上げる独特の技術で古来の製法を守っています。

 農水省が八丁味噌に地理的表示(GI)を与えましたが、カクキュートまるやの二社はこれに入っていないので、輸出先で「八丁味噌」を名乗れません。

 このことを取り上げたインターネットの記事『名古屋めしの象徴・八丁味噌ブランド問題の「なぜ?」』を、吉原さんのエッセイのあとに紹介していますが、この問題を取り上げた記事が新たに出ました。「日本の伝統・文化を壊す、農水省の八丁味噌GI問題」と言うものです。

 なお「八丁味噌」の名称は、徳川家康公が生まれた岡崎城から西へ8丁(約870m)の八帖町に由来しているそうです。

Yamagata
作成: 2018/03/15 (木) 07:20:24
最終更新: 2018/03/15 (木) 07:37:35
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KYoshihara 2018/03/18 (日) 23:22:24 93a7b@be06e

私は東京で育ちましたが、家族は豆味噌が好きで、「名古屋みそ」を好んで用いていました。宮内庁ご用達の「八丁味噌」は値段も高く、敷居が高かったように記憶しています。

岡崎に移住して、直ぐ有名な味噌蔵を見学しました。100年以上経過した巨大な桶で豆と塩だけを用いて2年以上発酵させて製造することを知りました。ひんやりと薄暗い蔵には芳香が漂い、多数の古桶が並んでいるのを見て感動しました。桶には昔からの菌が付着していて、熟成を助けているものと思いました。

数年前に、近隣にも伝統製法の味噌屋があることを知りました。八帖町から矢作川を渡った所(豊田市)に、その味噌蔵はあります。敷地にぶらっと入って行って、大桶の上で石を積んでいる人と気軽に仕事の話を聞くことができました。事務所の人に聞くと「八丁味噌」を名乗っているけれど問題が起きているということで、話しにくそうでした。私はこの会社(桝塚味噌)の「無為自然」という味噌を買うようになりました。味も結構です。

地理的表示(GI)の問題にどうすればよいのでしょうか。原料と製造場所の他に、やはり製造法を規定すべきです。同じ豆を使っても、ステンレス桶を用い加熱して3か月で製造してしまうのでは、八丁味噌とはあまりにも違いすぎます。一方、伝統的製造法に従っているならば、岡崎の老舗2社だけでなく、地域の他の会社もGIに入れればよいと思います。その他の豆味噌製造会社は昔からある「名古屋みそ」というブランドを用いるべきです。より有名なブランドに飛びついて、これを乗っ取るというようなことはGI制定の本来の精神とは異なるものでしょう。

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Yamagata 2018/03/19 (月) 11:13:43 ab5f4@42c01

 56年前に名古屋に移り住んだとき、味噌汁の「赤だし」を味わい、コクのある味わいが好きになって、それからは名古屋の味噌で味噌汁を作るようになりました。味噌は赤味噌でした。赤味噌(豆味噌)にだし、米みそを混ぜて味を調合したものを「赤だし」と呼んでいるようです。

 インターネットで、赤だし、赤味噌、豆味噌、八丁味噌の関係を調べてみると:(Wikipediaなど)

原料で種類が分かれる:
 米みそ - 大豆と米を発酵・熟成させたもの。
 麦みそ - 大豆と大麦又ははだか麦を発酵・熟成させたもの。
 豆みそ - 大豆を発酵・熟成させたもの。

色の違い:
 メイラード反応でタンパク質が着色することにより味噌に色が着く。強く蒸した大豆を多く使い、長期間、高温で熟成させると色が濃くなり赤味噌になり、茹でて糖分やタンパク質を流し出した大豆を、精白した米や着色の進まない系統の麹を多くあわせ、短期間熟成させると白味噌になる。

『赤みそ』:
 その名の通り、見た目が赤っぽい(濃い)色をした味噌を指す総称で、愛知県では赤みそ=豆みそ。

『赤だし』:
 一般的には豆みそをベースに、米みそ・調味料(だし)を配合した色の濃い調合みそを指す。

『豆みそ』:
 原料が大豆・塩・水のみで、米を使用せず大豆に麹を付けた「豆こうじ」を使用した熟成期間が長い(1年~3年)の味噌。東海地方(愛知・岐阜・三重)を中心に食べられている。豆みそ=赤みそしかない。

『八丁味噌』:
 元々は愛知県岡崎市にある岡崎城から八町(約800m)離れた八丁村で作られた味噌をその村の名前を冠して八丁味噌と呼び始めたのが起源とされている。製法・原料・熟成期間に関しては豆味噌と同じで違いは、”愛知県”で作られた豆味噌に関して「八丁味噌」と呼ぶ事ができる。

 GIの登録に関して、愛知県の老舗2軒を除くほかのメーカーの作る豆味噌に「八丁味噌」という名称を名乗ることが認められて、「カクキュー」と「まるや」は今後「八丁味噌」を名乗ることができなくなったというのが事の発端です。
 
 重徳和彦さんの 2018年03月14日の『日本の伝統・文化を壊す、農水省の八丁味噌GI問題』に詳しく論じられていますが、吉原さんが書いておられるように、八丁味噌の『伝統的製造法に従っているならば、岡崎の老舗2社だけでなく、地域の他の会社もGIに入れればよいと思います。その他の豆味噌製造会社は昔からある「名古屋みそ」というブランドを用いるべきです。より有名なブランドに飛びついて、これを乗っ取るというようなことはGI制定の本来の精神とは異なるものでしょう』という方向に解決されるといいですね。

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KYoshihara 2018/03/23 (金) 20:10:16 93a7b@be06e

「欧米でのワインの地理的表示(GI)について教えて下さい」

 ご意見を頂き有難うございました。また、重徳和彦氏のブログを教えて頂き感謝します。大変参考になります。彼は地元出身の代議士です。
 
 このブログに記述があります。キアンティを称するワイン農家が多すぎてしまった件の解決法として、伝統的な作り方をする作り手を「キアンティクラシコ」としたということです。これは示唆に富んでいます。

 さて、皆さんに教えてほしいことは、(ワインの場合)同一の地域で、伝統的に樽で発酵させたワインとステンレスを用いて作ったワインに「呼称として」差を設けているのでしょうか。フランスの有名産地では2者が混在することは無いので自然に棲み分けが出来ているのでしょうか(イタリアの場合はそうでなかった)。
 あるいは品質(テイスティング)のシステムが大変うまく機能しているのでしょうか。PPなどいくつものテイスティングの基準があって、信用されている。この場合、実質的には地理的表示(GI)が必要なくなるとも考えられます。
 
 ちなみに、農水省のGIでは、「味」は全く考慮しないそうです。
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 カリフォルニアでは2者が混在します。樽で作ったワインのラベルには特に詳しく作り方の説明をしている感じがします。カリフォルニアの場合ステンレスで作るものにも大変美味しくて高い評価を得ているものもあるようです。この場合やはり品質評価が優先しているように思えますが正しいでしょうか?(或はGIという概念が無いのかも。)