(坂本)だけど音楽とか映画とか、そういうメディアは時間がもう向こうから押しつけられちゃうのでむずかしいですよね。でも、音楽にも譜面というものがあります。それで譜面はやっぱり本とおなじで、自分の意思で読む速度を変えられるんですよ。楽譜の速読ができるんです。その音楽の持つ本来のスピードの、4、5倍のはやさでいける。
本以上に苦手なのが映画なんだけどまさにこのことによって苦手に感じている。時間の流れを乗っ取られたくないという気持ちがある。
実際に見始めれば事前に感じていた程の不快感は見ている間にはないのだけど(ゼロにはならない)、事前の拒否感がありすぎて「見始める」までのハードルが高い。
音楽も「ただ聴く」ってできなくて、常にBGMにしている。音楽に対して集中することはなく、BGMとして繰り返し聞く中で全体像を把握していっている感じがする。
逆に、本を読んでいる時に時間の流れを乗っ取らせなさすぎて、多動性的なものが発動して読むのをやめてしまう。
でも本に関しては折り合いをつける余地があると思う。そもそも本の流れにそのまま沿わなくていいのだから、もっと横暴に読んでしまえばいいのだと思う。内容を蔑ろにするというのではなく、自分の時間の流れに合わせて自分仕様の読み方をした結果、最終的に内容を取り込んだ状態になるようにする、という話。つまり自分の音楽の聞き方と同じようにすればいいのかも。
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