坂本:そう。まだ子どもがちいさかったころ、たとえば「勉強用のプレイリストをつくってよ」とか頼まれるわけ。
――勉強がはかどる曲、みたいなテーマで選ぶんですか。
坂本:うん。それからだんだん、「クラシックをもう少し知りたいから、なに聴けばいいかちょっと選んで」とか、「ベースをはじめたから、マストで聴いておいたほうがいい古今東西のベースのいい曲を集めてよ」とか。そのときどきで「はい、はい」って僕が曲を選んでプレイリストをつくるわけです(笑)。
親が坂本龍一という環境、強い。
なんだか最近、「プレイリストを作る」ということをしなくなったなあ。というか、そもそも音楽を聞かなくなっている。十代の頃は「聞いてちゃ駄目な時間以外何かしら聞いている」というくらい聞いていたのに、今は聞こうと思った時以外聞いていない。新しい音楽を知ろうという気持ちもかなり薄まっている。
聴覚が塞がっているとまずいという生活がちょっと続いていたこともあって、「聞く」というのが縁遠くなってしまった。
シチュエーションに合わせて音楽を構成する、というのは多分すごく「豊か」なことで、取り戻した方が良い習慣だなと思う。
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