外遊中のチン首相、ブラジル大統領と会談 貿易額150億USD目指す
23日から26日までの日程でブラジルを公式訪問中のファム・ミン・チン首相は25日、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領と会談した。
首相は、ブラジルの社会経済開発の成果に祝辞を述べ、ブラジル国民の努力が同国を世界の主要経済国にし、特に国連、77か国グループ(G77)、20か国グループ(G20)、新興5か国(BRICS)での役割と地位がますます高まっていると評価した。
一方、大統領は、ベトナムの目覚ましい発展に賞賛の意を表し、独立・自主・平和・協力・発展に向けた外交政策を堅持し、外交関係の多様化と多国間化、国際統合を推進し、国際社会で信頼性の高いパートナーとしての役割を果たしていくというベトナムの方針を評価した。
双方は、ハイレベルを含むあらゆるレベルの訪問・接触を強化し、2024年に迎える外交関係樹立35周年に向けて密接に連携し、政治協議や経済貿易協力に関する両国間の既存の協力メカニズムを効果的に展開することで一致した。
2022年における両国間の貿易額は68億USD(約1兆0100億円)となった。双方は、貿易額を2025年までに100億USD(約1兆5000億円)、2030年までに150億USD(約2兆2400億円)に引き上げることを目指す。
また両首脳は、経済や貿易、文化、農業、教育、国防安全保障、科学技術、特にイノベーションの分野における両国間の協力を推進し、中でも相手国の貿易収支をバランスの取れた方向に誘導する形で相手国の製品を輸入することで一致した。これに関連し、ブラジルは航空機、機械、ハイテク機器など、同国が強みを持つ製品をベトナムに輸出したい意向を表明した。
ブラジル側は、ベトナムがメルコスール(南米南部共同市場)との間で自由貿易協定(FTA)の交渉・締結を進め、またメルコスール市場と東南アジア諸国連合(ASEAN)市場を接続することを望んだ。
なお、チン首相は、ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長とボー・バン・トゥオン国家主席からの伝言として、大統領にベトナム公式訪問を招待した。これに対し、大統領は両国関係を強化すべく、2024年にベトナムを公式訪問することを確認した。
会談の末、両首脳の立会いのもと、両政府間の教育協力協定、両国防省間の覚書など、4件の協力文書が交わされた。