遊資を追う！ 「Wild Hot Money Chase」の掲示板 ＜２＞（since 25th Aug 2023）

３０日に決算発表予定のデル・・今夜、寄り後に買って決算勝負です。昨日７％上げてますが、気にせず入ります。どうなりますやら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

　米画像処理半導体（GPU）大手エヌビディアの半導体はどれも、何かに搭載する必要がある。これが米デル・テクノロジーズに非常に実入りの良い現実をもたらしている。

　人工知能（AI）を巡る熱狂は、40年前にオーダーメードのパソコンメーカーとして創業したデルにも追い風となっている。時価総額はこの12カ月で3倍超になった。きっかけはエヌビディアが示した途方もない売上高見通しだ。チャットボット（自動会話プログラム）「チャットGPT」のような生成AIサービスの構築を目指す企業が、どれほど同社の半導体を欲しがっているかを伺わせるものだった。デルは株価も今年に入ってから2倍超に上昇した。

　デルは年間売上高が世界最大級のテック企業だ。パソコンや記憶装置のほか、ITサービスやソフトウエアなど商品は多岐にわたる。エヌビディアのGPUを使用するには高性能メモリーなどを備えた専用サーバーが必要となるため、デルはとりわけサーバー事業がAIブームの恩恵を受けている。

　投資家の熱狂はおそらく、デルが30日に発表する2-4月期（第1四半期）決算への期待値を押し上げている。昨年8月31日に発表した2023年5-7月（第2四半期）決算ではサーバーの売上高が市場予想を16％上回り、翌日に株価は21％高となった。今年2月29日には23年11月-24年1月期（第4四半期）のAIサーバーの受注残がほぼ倍増したと明らかにし、翌日の株価上昇率は32％に達した。

　アナリストはデルの2-4月期のサーバー売上高について、前年同期比31％増の50億ドル（約7870億円）強になると予想。これは同部門としてはここ4年余りで最大の伸びとなる。デルよりはるかに小規模でAIサーバーを手掛ける米スーパー・マイクロ・コンピューターは4月30日、1-3月期（第3四半期）の売上高が前年同期の3倍になったと発表した。ただ、市場予想を若干下回り、好調だった株価は翌日14％下落した。

　デルはもっと盤石だろう。スーパー・マイクロより事業を多角化させている。スーパー・マイクロは事業モデルのリスクがより高く、フリーキャッシュフローが赤字になりがちだ。市場調査会社IDCによると、デルの売上高の半分余りを占めるパソコン市場は、1-3月期に業界全体の売上高が2年ぶりに増加するなど、足元で改善の兆しがある。

　今年はオンデバイスAIを搭載した新型端末も発売されるため、一段と上向く可能性がある。バーンスタインのアナリスト、トニ・サコナギ氏は、AIサーバー事業の持続性に懸念があることを認めた上で、デル株の投資判断を「バイ」としている。

　サコナギ氏は先週のメモで、「他にもいくつかテコがあり（ストレージ、従来型サーバー、AI対応パソコン）、これが25年1月期の1株利益を大きく押し上げる可能性がある」と指摘した。

　両銘柄ともに好調だが、デルの予想株価収益率（PER）はスーパー・マイクロより22％割安の水準にある。ただスーパー・マイクロと同様、デルの今回の決算はAI関連の数字次第で投資家の評価が大きく変わるだろう。最も注目されているのはAIサーバーの受注残だ。11-1月期はほぼ倍増し、29億ドルに達した。ゴールドマン・サックスのマイケル・ウン氏は4月のリポートで、2-4月期の受注残が20億ドル増加すれば、25年1月期のAIサーバー売上高は50億ドル達成が視野に入ると指摘し、自身の予想を68億ドルとした。

　エヌビディアが先週、年内に発売する新型半導体に旺盛な需要を見込んでいると述べたことを踏まえると、これは実現可能な数字だ。デルにとって最大の足かせは、業界全体が供給不足に陥っている中で十分な数量を確保できるかどうかかもしれない。

　だがウン氏によると、デルのサーバー顧客は「GPUを優先的に供給されるようだ」。デルとエヌビディアは緊密な関係にある。エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者（CEO）は3月、自社イベントの基調講演で聴衆席にいたデルのマイケル・デルCEOを名指ししたほか、先週はデルの年次開発者会議でデル氏とのツーショットを披露した。

　フアン氏はこのイベントで「極めて大規模な企業向けエンドツーエンド・システムの構築でデルの右に出る企業はない」と持ち上げた。

　デルの競合各社はIT機器の分野でこれほどの賛辞を受けたことはない。だが、デルの製品がシスコやヒューレット・パッカード・エンタープライズ（HPE）といった旧来の競合各社のものより割高であることを踏まえると、こうした賛辞を実際の売り上げにつなげることが極めて重要になる。デルが達成すべき数字は大きい。