本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
シリーズ最終回となる第4弾では、第1弾を配信した18日時点の時価総額が30億円以上200億円未満の銘柄を対象に、23年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している30社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、投資用マンションの企画・開発・販売を手掛けるグローバル・リンク・マネジメント <3486> [東証P]。4-6月期(第2四半期)の経常利益は過去最高益を2.1倍も上回る24.9億円と23四半期ぶりに過去最高益を塗り替えた。成長戦略に掲げているレジデンスの1棟バルク販売「まとめて販売」の推進で高付加価値物件の引き渡しが計画通りに進んだほか、非レジデンス領域では用地仕入事業で東京都渋谷区の土地を1件売却したが利益拡大につながった。株価は約5年4ヵ月ぶりの高値圏を快走する展開となっている。
2位はバリューアップ物件を強みに収益不動産の販売を展開するADワークスグループ <2982> [東証P]が入った。4-6月期(第2四半期)は前期までに蓄えた不動産残高を背景に国内で収益不動産の販売が好調だったうえ、物件の平均単価も上昇した。また、自社保有の収益不動産から得る賃料収入も増加し、売上高、経常利益ともに過去最高を大幅に更新した。
6位の液卵製造販売大手、イフジ産業 <2924> [東証S]の4-6月期(第1四半期)は鳥インフルエンザの多発で鶏卵相場が高騰する中、販売価格の改定を進めたことが収益を押し上げた。好調な業績を踏まえ、24年3月期通期の経常利益予想を上方修正し、従来の5期連続での過去最高益見通しをさらに上乗せした。また、上期配当を従来計画の16円→26円に大幅増額修正したことも好感され、株価は上場来高値を大きく更新した。
10位に入ったAIメカテック <6227> [東証S]の4-6月期(第4四半期)は半導体分野で主力の先端半導体パッケージ向け装置を中心に大きく伸び、経常利益は10.4億円と過去最高だった前年同期を25.5%上回って着地。併せて発表した24年6月期は今年3月に東京応化工業 <4186> から譲受した装置事業の通期フル寄与などで、経常利益は前期比2.8倍の13億円と5期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。今後の成長期待も強く、株価は8日に上場来高値3160円まで上値を伸ばしている。
12位にリスト入りした尾家産業 <7481> [東証S]の4-6月期(第1四半期)は主要取引先である外食産業向け業務用食品の販売が回復したほか、ヘルスケアフードやプライベートブランド商品も伸び、経常利益は8.9億円と前年同期比3.3倍に膨らんだ。併せて、24年3月期通期の同利益を従来予想の18.3億円→25.8億円に大幅上方修正し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。好決算を背景に株価は青空圏を舞う展開となっている。