コロナの猛威いまだ治まるところを知らず、ZoomとChromeの二刀流を使いこなすインドア民が増加の一方をたどる今日この頃。
カリスマ作品紹介師ナチュラルの失踪から早くも1ヵ月が経とうとしていた。
このままでは娯楽に飢えた人々のストレスが爆発してしまう。
約束の「8月頃」まで残すところあと僅か・・・人類の存亡をかけた作品紹介代筆作業もいよいよラストスパートとなります。
「ナチュラルてめぇこのまま逃げんなよ?」という圧を込めに込めて本日ご紹介する作品はこちら。
敏腕ロビイスト、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)は、銃所持を後押しする仕事を断って、大会社から銃規制派の小さな会社に移る。卓越したアイデアと決断力で、困難と思われていた仕事がうまくいく可能性が見えてきたが、彼女のプライベートが暴露され、さらに思いも寄らぬ事件が起こり……。
ネタバレ無しのざっくり紹介
「政治って実際どうやって動いてんの?」という舞台裏をじっくり見せてくれる映画です。
政治の様子って、街頭演説とかカンペ読むだけの国会中継くらいしか我々の目には届かないじゃないですか。
政治家ってよくパーティ開いてるけどパリピなんか?って感じじゃないですか。
そういう舞台裏を見せてくれる映画です。細事はあくまでフィクションですけども。
ロビイストって日本じゃあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、ざっくり言ってしまうとある特定の法案を可決(あるいは否決)させるために雇われた傭兵・・・のようなものです。
政党には所属していない、あくまで第三者というポジションで身軽に動ける遊撃部隊のようなものです。
とは言っても、一応はちゃんとした資格を所持する認可を受けた団体による活動です。
政治家が警察や裁判官だとするなら、ロビイストは探偵って感じのポジションとでも言いましょうか。
ただまぁ・・・実情は限りなく黒いグレーですが。
そんなロビイストの活動をテーマにした本作ですが
言ってしまえば「ちょっと小難しい」です。
頭脳明晰な登場人物たちが政治的なディベートを繰り広げたりするシーンも結構あります。
ただ、予備知識がなきゃ楽しめないのか?と聞かれたら答えはNO。
魔晄とかマテリアとか専門用語ばっか出てくるけどファイナルファンタジーおもろいやん?
この作品も、ちょっと小難しい会話がちらほら出てきたりするけど、主人公の信念とか迷いとか覚悟とか葛藤とか、そういうヒューマンドラマ的な視点から鑑賞する余地は十分に確保されているので心配ご無用。
見どころとしては、キャッチコピーの「毒でアメリカを正す」の文言まさにそのまま。
正義は勝つ!のストーリーじゃなくて「悪vs悪」の構図で物語が進むところにあります。
綺麗事で政治は動かないというリアリティ。どっちの毒が強いのか、秀才たちの蟲毒がここにある。
法案を通したり通さなかったり決める職業として政治家や官僚ってのが既に存在するのになんでロビイスト必要なん?
そう思う聡明な諸兄もいらっしゃるでしょう。
じゃあ、例えばあなたがドローンを製作する企業の社長だったとしましょう。
ドローンは最近世の中に出てきたばかりの存在なので、まだ法律とかガバガバです。
ドローンの何が許されて何が規制されるかによってあなたの会社の運命は大きく変わります。
そんなとき「ご多忙な政治家の先生がたを相手に自ら直接ネゴシエートするんですか?」と。そういうことなんです。
ロビイストは政治家の先生を相手に「この法案にはこんなデメリットがあるんですけど、まさか可決するつもりですか?うっそマジ?ありえんわ信じられへん、みんなに言いふらそっかな・・・票に響くんちゃいます?」みたいな交渉を持ちかけることを生業としてるヤベェ連中という認識でひとまずはOKだと思います。私見ですけども。