kagemiya@なりきり

サーヴァントバトルコロッセオ / 3

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「……これは、いけませんね。あの二人、本気で殺し合いを始めていますよ」
そう言って眼鏡の位置を直しながら呟いたのは、審判役のサーヴァントだった。
その言葉に周りの者達はどよめく。
「なんですと?まさか、そのようなことが……」
「本当ですとも。私の目は誤魔化せません。あれは間違いなく、相手を殺めるつもりで戦っている。それもどちらかが死ぬまで終わらないでしょう。私にはわかります。あの戦いは、そういう類のものだ。
まあもっとも、それを止められるのは同じ"主催者側"であるマスターだけなのですが……。……おっと失礼。どうやら向こうも決着がついたようですね。勝者は……クロイソス殿だ」
サーヴァントの言葉通り、いつの間にかクロイソスが地面に倒れ伏すペルカードを上から見下ろしていた。
そして倒れた彼に歩み寄りながら声をかける。「降参するなら、命までは取らないが?」
ペルカードはその言葉を鼻で笑い飛ばした。
「フッ、ハハハハハハハ!バカを言うな!ここまで来て引き下がれるものか!たとえここで朽ち果てようと、俺は最後まで戦い抜くぞ!それが騎士というものよ! さぁこいクロイソス!俺はまだ戦えるぞ!」
彼は立ち上がり、再び構えを取る。
その姿からは、もはや敗北の恐怖など微塵も感じられない。
「ふむ、ならば仕方がない。お前に敬意を表して、我が全力を持って相手しよう!」
対するリディア王もまた、自らの最強の技をもって応戦せんとする。
二人の視線がぶつかり合った次の瞬間、両者は同時に動いた。
「行くぞ、『金の魔貨・銀の聖貨(コイン・コイーン)』!!」クロイソスの手から大量の金貨と銀貨が発射される。
だがそれはただの貨幣ではなく、魔力によって生み出されたものである。クロイソスはそれを空中に投げ上げ、そして指を鳴らした。
するとコインは重力に従って落下することなく、その場で静止した。
まるで、一枚ずつが意志を持っているかのように、自ら宙に浮かび続けているのだ。
やがて全てのコインは、一斉にクロイソスに向かって飛来し始めた。
それに対してクロイソスは黄金の鎧を身に纏い、さらに手に持っていた短剣を頭上に掲げる。
「うおおおおおお!!!」
雄叫びと共に、クロイソスは短剣を振り下ろす。
その動作に連動するように、空中に浮いていたコイン達が一斉に動き出した。
そしてクロイソスの周りをぐるりと一周してから、彼の手元へと戻っていく。
最後に彼がもう一度短剣を振ると、先程までコインだったものは一瞬で金塊に変わっていた。
「『金の魔貨・銀の聖貨(コイン・コイーン)』はその名の通り、金と銀を生み出す宝具。
つまりクロイソスは、自分の望むものを自由に作り出すことができるのです。」
「何という宝具だ……」
サーヴァントの解説を聞いている間にも、試合は続いていた。
クロイソスは今度は両手を掲げ、そこにそれぞれ一本ずつの金の槍を作り出すと、一気に投擲してきた。
二本の槍は回転しながら飛び、ペルカードの身体を貫かんとする。しかしそれを、ペルカードは難なく避けて見せた。
「ふんっ、狙いが見え見えなんだよバーカ!」
そのままクロイソスに接近し、一撃を入れようとする。
だがクロイソスは余裕そうに笑うと、右手で拳を作り、振りかぶった。
次の瞬間、ペルカードに強烈な衝撃が走る。
なんと、クロイソスは右ストレートを繰り出してきたのである。
まともに食らってしまったペルカードはよろめきながらも、なんとか体勢を立て直す。
「なんだと!?︎くそ、小賢しい真似を……!」
「どうだ?これが俺の実力だ!さぁ、次は何を出す?」
クロイソスの言葉を聞きながら、ペルカードは相手の隙を探る。
あの宝具は、一度使うたびに莫大な魔力を消費するようだ。
それ故に、連発はできないはず。ならば、そこを狙うしかない。
(ならばまず、手数を減らす!)「喰らえ!」
再び距離を詰めて肉薄する。そして、渾身の力を込めて蹴りを放った。
しかしその攻撃も、クロイソスは腕をクロスさせて防御する。
ペルカードはそのまま回し蹴りの要領で足を横に振る。

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