kagemiya@なりきり

サーヴァントバトルコロッセオ / 25

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だが、雷光の速度を乗せた大剣の斬撃を受けたことで、その肉体からは煙が上がっている。
ライダーが再び駆け出す。今度はアサシンが迎え撃つように構える。
だが、ライダーは途中で軌道を変え、壁際に立つロゼの元へ走る。
突然のことに驚くロゼを無視して、そのまま抱えて大きく跳躍する。
直後、それまで立っていた場所に無数のナイフが突き刺さり、爆発する。
ライダーが着地したのは観客席の最前列。観客たちは何が起きたのか分からずざわめいていた。
これはアサシンのマスターであるトリグたちの放った攻撃だ。ライダーは客席最前列から飛び降りると、地面すれすれまで姿勢を低くして走り、またもや急加速でアサシンの背後を取る。
だが、振り向き様に放たれた拳がライダーの顔面を捉え、大きく仰け反らせる。
「ッ!?」
ライダーは即座に腕を振り上げ、肘鉄を放つ。
だが、それは囮だった。
カウンター気味に入った筈のライダーの一撃が、逆にアサシンの脇腹に叩き込まれる。
アサシンの身体が折れ曲がるように浮き上がり、地面に転がった。
「がっ、あああ!」
アサシンは悲鳴を上げながら転がり、やがて止まる。
そして顔を上げると、そこにはいつの間にか距離を詰めてきたライダーの姿があった。
起き上がろうとするアサシンの頭を踏みつけ、その動きを封じる。
「ぐぅ、あ……!!」
ライダーはそのまま足を滑らせ、アサシンの背中に体重をかける。
ミシミシという音が聞こえそうなほど強く体重をかけられ、苦しげな声が上がる。
そして『嵐の王(リアネール)』が振り落とされる。それは一瞬の出来事だったが、それでも十分すぎるほどの時間だった。
アサシンの右腕が肩から切断され、宙を舞う。
鮮血が舞い、観客たちの歓声が上がった。
しかしライダーは油断しない。
まだ、終わっていないからだ。
ライダーは足に力を込め、思い切り蹴り上げる。
ライダーの蹴りは、そのままアサシンの首へと叩き込まれる。
首の骨の砕ける嫌な音と共に、アサシンの意識は闇に沈んだ。
自らのサーヴァントであるアサシンを失ったトリグたちは、苦々しい表情を浮かべてその場から走り去っていく。
ライダーはそれを追おうとはせず、その場に佇み、辺りの様子を窺っていた。
ふと、観客席の方を見ると、ロゼがこちらを見て笑っているのが見えた。それに軽く手を振り返すと、彼女は驚いたように目を丸くする。
そんな彼女に対して、ライダーは大きく口を動かして笑いかけるのであった。

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