「いやあザリエルの誕生…再臨か? めでたいな! やったぜ!」
ラスティの盾が騒ぎ出す。
長らく忘れられていた盾に封じられていた高位のデヴィル、ガーゴースである。
「あんたがザリエルになったのなら、もう俺を解放できるだろう。 十分役に立ったはずだし、解放してくれていいんじゃないか?」
と、訴えて来たのだ。
確かに役には立っていたが…悪魔を解放していいものなのだろうか?
一行は「おい! 約束を破るのか! デーモンみたいだな!」などと騒ぎたてるガーゴースをしり目に会議を行う。
各々意見を出し合い、結果。
『アーチデヴィル・ザリエルを討伐するまで邪魔はしない』『今後10年地上世界で陰謀を働かない』という約束の下、ガーゴースを解放する事にした。
「やった! お前ら最高だぜ!」と喜ぶガーゴース。
「長い事旅をしてきてお前達にも情が湧いたからなあ…ちょっと装備を取引してやってもいい」
彼は別れ際に、ソウルコインを道具や装備と交換しようと申し出た。
背に腹は代えられない…一行は航空戦を見据えた装備を整えるのだった。
「俺様からも条件を一つ出そう、『必ずアーチデヴィル・ザリエルに勝つこと』だ。そうじゃないとこっちも迷惑するからな」
そう言うと、ガーゴースはどこかへと飛び去って行った。いざという時に使えと契約書を残して。
ルールーの記憶により、アーチデヴィル・ザリエルの居場所はステュクス河流域、エルタレル直下の激戦区だという事が判明した。
一路エルタレルへと帰還する一行。
エルタレルは、あと数時間でステュクスへと沈むという危機的状況にあった。
天使ザリエルとして覚醒したザリエルであれば、友垣を破壊し、内部に囚われた天使プラネターを解放する事が出来る。
そうイェイエルは言っていた。
プラネターを解放すれば、エルタレルは地上へと帰ってくることができるはずである。
しかし、当然デヴィル達はそれを見過ごしてはくれないだろう。
一方で、ザリエルの討伐も行わなければならない。当然ながらザリエルは強敵だ。
ザリエルはもっとも戦闘が激しい地帯で暴れている為、近づくにも一計を案じなければならない。
どちらから行うか、どうやっておこなうか。
一行は頭を悩ませるのであった。