14回目
小学生は正直です。退屈だと欠伸をします。疲れると休みたいと言います。休み時間には卓球をします。そしてピンポンが大好きになりました。
Yさんは小学5年生です。小学校4年生を過ぎると取り扱う知識も増え、思考力も求められます。教科の学習もそれまでよりも複雑で抽象的な思考も要求されるようにます。
それはある秋の日のことでした。日本の四季の特徴を示す言葉は「実りの秋」です。栗の実が笑んだので栗拾いをして教材に使います。この時は3種類の大きさを準備しました。「小さい」「中くらい」「大きい」の3種類です。大きさの表現と比較表現を学びます。
はじめは栗と団栗の比較です。絵を描き違いを発見していきます。樫の団栗、楢の団栗、椎の実、クリの実を比べて書きました。堅果類の内、「椎の実」「栗」は殻をとって渋皮を除けば、そのまま食べることも可能です。その他の団栗は縄文の昔から、あく抜きをしないと食せません。椎の実は食べて見せます。「食べられます。」と言います。「甘いです。」と言い添えます。幾つか「あげます。」
しばらくするとYさんは「あまくないです」というのです。私が親御さんの許可を取る前に食べてみたようです。(気を付けないといけない場面です。)
さて、この日は台秤を用意しておきました。いろいろなものをのせて目方を量り、計量と単位の表現を学びます。計ってみると、小さな栗が10g、中15g、大20gでした。ここで栗の「小」と一円玉を比べると、10枚と同じ目方でした。Yさんは1円玉1枚が1gであることを確認しました。
それから消しゴム、えんぴつ、ボールペン、最後に筆入れものせて計ってみました。トランプは薄いカードなので、計量するのが難しいので、10枚をのせて数字を読み取り、割り算しました。それが済むと、九九をやって見せてくれました。掛け算と割り算までできるのです。
ここでご褒美に、1円玉が水に「浮く」か、「沈む」かをクイズにして答えるように促しました。この実験で、「浮く」「浮かない」と「浮く」「沈む」の語彙を覚えました。
1円玉が浮いたのを見たとき、Yさんは目を丸くして一言「すげー」と言いました。学校生活では友達の言葉を覚えてきます。
絵を描きながら、自分でやってみて、「楽しく」算数と理科を学んだと思いますが・・・。
皆さんにはどんな経験がありますか。
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