7回目
昨今は、技能実習生制度の見直しがされようという機運が見えてきたと伝えられています。制定当初から課題があると指摘され、人権上問題があるとの国連の勧告もあるのですが、日本は今日まで本格的な改善はしていません。言語権の保障も私たち、ボランティアが補って今日に至っています。
正しいことを、まともに考えるということは、思っているほど容易ではありません。
今日までの間に、色々な体験もありました。数年前になりますが、技能実習生の失踪事件がありました。日本語講座に通って学んでいた学習者でした。その方は、「日本語の先生の所に行きます。」と言って宿舎を出たのです。それっきり連絡が途絶えました、と会社の方が日本語講座の私どもに連絡してきました。「何か知っているはずだ」と疑われたのです。私どもは「口実」に使われたのですが、日本の制度上人権が尊重されているとは言えない状況が存在したことを身をもって知ったのでした。
私たちは、直接「制度を変える」ことはできません。皆さんも、熱心にボランティア活動に取り組んでいるだけなのですが、考えないわけにはいかない課題も抱えていることを思い知らされました。「楽しい日本語教室」の背景をもっと豊かなものにしたいものです。
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