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 「日本語を考える」

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「自由という言葉について」
自由は民主主義社会に生きる私たちにとって、身近な言葉のように感じていませんか。
この言葉は結構古くからある言葉です。高校の日本史で「二条河原落書」という文書を目にしたことを覚えていませんか。建武元年、1334年に京都二条河原に掲げられたものです。「自由出家」とあります。ここでは権力・権威に従わない、わがまま勝手という意味です。中国語から入って来た時にも、「専恣横暴の意味」であったとされています。近代に入っては、英語の「リバティー」「フリーダム」、オランダ語の「フライハイト」の訳語として自由は理解されるようになり、今日に至っています。しかし、当時、福沢諭吉は「西洋事情」の中で、訳語とした「自由」に注意書きを添えているのを覚えている人は少ないように思います。彼は、翻訳語として『自由』を用いるが『日本語の我儘放蘯で、国法をも恐れぬという意義の語ではない』と述べている。
 ボランティア活動では、自由や自由意志、自由な雰囲気を良く使いますが、それはどういう意味で使っているでしょうか。
もしや「自分の好き勝手がいい・・・。」という意味ではないか、心配もあります。
その際に、「自由に生きる」と「自由を生きる」の違いにも着目すると議論しやすいのでは・・・。
皆さんで一度話し合ってみたいものです。

宮本敏弥
守谷市国際交流協会・取手市国際交流協会・地域日本語教育コーヂネーター(文化庁H29)

刀水手帳
作成: 2022/12/05 (月) 06:04:59
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