Flight Coach BBS

機械学習によるジャンプに影響を与えるパラメータの分析 / 19

24 コメント
views
2 フォロー
19

 これまでの分析から、GPSによるデータ取得エラーにカーボン樹脂製のキャノピーが関与しているのでは、と推測しました。そこで、下記の写真のようにFlight Coachを機外に出してフライトしてみました。
画像1
 下図は、従来通りFlight Coachを機内に設置したときのP-23の飛行軌跡をGoogle Earth上に表示したものです。
画像1
図中の黄色いピンはGPS衛星の捕捉数NSatsが12未満(ArduPilotは12以上を推奨)となる位置を表しており、ピンのラベルの最初の数字はマヌーバの種類を、2番目の数値は機体姿勢のロール角を示しています。前報で報告しましたように、NSatsが12未満となる回数がかなり多いことが分かります。
 下図は、本日Flight Coachを機外に出してフライトした結果です。
画像1
曲技内ではNSatsが12未満になることは一度もありませんでした。次に、GPSの測定精度並びにカルマンフィルターの推定精度を表す各パラメータを調べてみました。結果は下記の通りとなっています。
【機内GPS】
NSats: 0(min.)~15.54(average)~19(max.)
HDop: 0.59~1.44~99.99
XKF4_SV: 0.01~1.05~15.63
XKF4_SP: 0~0.14~1.45
XKF4_SM: 0~0.21~0.46
【機外GPS】
NSats: 12(min.)~19.99(average)~23(max.)
HDop: 0.51~0.57~0.80
XKF4_SV: 0.01~0.13~2.70
XKF4_SP: 0~0.06~0.57
XKF4_SM: 0~0.24~0.43
 このように、Flight Coachを機外に出した場合、NSatsが12未満、並びにHDopが2以上(ArduPilotは2未満を推奨)になることは一度もありませんでした。このデータを見る限り、Flight Coachを機外に出すことにより、GPSのデータ取得状況がかなり改善されたことが分かりました。その理由として、
1.Flight Coachがモーターやバッテリーから離れたことによりノイズが低減された。
2.Flight Coachを機外に出すことにより、キャノピーやその他カーボン樹脂による電波遮断の影響が低減された。
などが挙げられます。このどちらが、あるいはこの両者がGPS状況の改善に寄与したかは現状では不明ですが、いずれにしてもFlight Coachを機外に出すことによりGPSのデータ取得状況が大きく改善されることが分かりました。
 Flight Coachを機外に出す方策として写真のままですとフライトに影響しそうですので、できれば機体表面に埋め込みたいのですが、既存の機体ですと工作が難しそうです。機体を製作できる方はフライトに影響が出ないように初めからGPSアンテナを入れるスペースを機体表面に設けておくと良いかもしれません。

通報 ...