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機械学習によるジャンプに影響を与えるパラメータの分析 / 1

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前報に引き続き、ロール角のジャンプへの影響を調べてみました。前報で、リボン図のジャンプに対してGPS衛星の捕捉数を表すNSatsの影響が大きいことが分かっていますので、今回はNSatsとRollの関係を機械学習を用いて調べてみました。なお、Roll(機体のロール軸回りの傾きで水平から右回りを正とし、単位は度。-180 <= Roll <= +180)の正負がNSatsに与える影響に違いは無いと考えられますので、今回はRollの絶対値を用いています。PitchのNSatsに与える影響は前報でやや大きいことが分かっていますので、今回はPitchが正のデータ(機体姿勢は水平から上向き)のみ用いています。下図は、各パラメータ間の相関の大きさを表しています。
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前報で報告したように、NSatsに関してHDop及びHAccに強い負の相関があることが分かります。また、Pitchにもやや強い負の相関があります。さらに、今回Rollにもやや強い負の相関があることが分かりました(白い矢印)。そこで、NSatsとRoll間の関係をデータ数の等高線図を用いて調べました。下図はその解析結果を表しています。
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Rollが0に近いとき(機体姿勢が正面)、データ数のピークはNSatsが20の領域にありますが、Rollが180に近いとき(機体姿勢が背面)は、データ数のピークはNSatsが13, 14の領域になります(赤い矢印)。したがって、機体姿勢が背面になると、衛星の捕捉数が減少することになります。衛星の補足数は12以上あることが推奨されています。また、GPSデータの取得は0.2秒毎に行われていますので、背面のまま数秒間飛行を続けるとジャンプが発生する可能性が高くなると考えられます。なお、今回の解析に用いたデータ数は約6,500で、全てP-23のフライトデータです。
 今回は、機械学習を用いてロール角のジャンプへの影響を調べてみました。本解析結果はデータ取得に用いた機体特有の問題かも知れません。皆さんのフライトデータでもご確認頂ければ幸いです。

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