山焼きを平城宮跡の朱雀門を入れて撮って見ました。
4年前Masaoさんと佐紀池畔から大極殿を入れて狙った失敗経験を活かすつもりでネット情報を頼りに場所を選びましたが、三脚を据えてから隣の経験者から花火の高さを聞いたのが悪かった!!
朱雀門の2倍位の高さでしょうとのことで、凡そ2.5倍位の高さまでで画面一杯を狙って焦点距離と構図を決めて待ったのですが、最も綺麗で大きな花火は半分しか入らず、ここで焦点距離を変えれば良かったのですが下側をぎりぎり切って・・・(帰宅してPCで見ると切り過ぎ!)それでも入らない花火があって、来年への宿題を残すことになってしまいました。
画面に収まった花火と山焼きを合成したのがこれ↓
14:33に島本を出て三脚を据えたのは16:05頃、現場は2枚目のような感じで、上段は路側帯で三脚の台数以上に場所取りされていましたが、16:30頃まではヨシの刈り跡の下段では場所を選ぶ余裕がありました。
日没直前には上段は60名下に40名ほどになっていたほか、葦の刈り跡にも2・3百名(以上?)の人になっていました。
元画を選び直し1枚ずつ仕上げをした上で合成しました。
合成について、気付いたことは
投稿した画像は比較明合成をしましたが、山焼きの煙が予想外に明るく、打ち上げ花火も高さがないものは山肌を明るく照らしたり、随伴する花火の煙も山焼きの煙と競合する明るさがあり、3者があちこちでまだら模様を作ってしまうことでした。
このため、合成前に花火の足元が暗い画像を選んだり、足元を暗く花火は明るく鮮やかになるように調整したりする手間が必要でした。
掲載した画像も花火の光跡があちこちで山焼きの煙に隠れ、光跡が交差する部分では暗い方が途切れ、いかにも合成しましたと言う画像になっていますので、比較明合成よりも加算合成の方がこの被写体に相応しい合成手段かも知れません。
加算合成
コメント2と同じ三枚をそのまま加算合成してみました。
朱雀門の壁が明るく白飛びしたのが目立ちますが、不自然さはあまり感じませんがいかがでしょうか。
トピック最初の画像の元の3枚を加算合成すると、
花火の足元の不自然な明るさのせめぎ合いが消えましたが、白壁以外にも白飛び箇所が大幅増!!
海遊館撮影会の折、山焼きの撮影環境についての質問がありましたので、若干補います。
花火は山焼き開始の合図として約15分間に600発打ち上げられ、その後松明を持った消防団員数百名により一斉に点火されますので、花火の入った山焼き風景は2種類数枚以上の合成画像になります。
花火だけを上手く切抜き出来れば別ですが、花火撮影時の構図が作品全体の構図を決めることになりますので、カメラの位置・焦点距離・向きの設定が全てになります。
私のカメラから朱雀門まで地図上で距離を測ると約500m、若草山まで約5000mで、朱雀門の高さは22mです。
花火は一重目・標高250m辺りで打ち上げられ、カメラを立てた蘆原や朱雀門は標高65m程の場所で、路側帯は2.5m程高くなっています。
失敗経験から言えば、今年の花火の最高部はカメラから700m位と見ないといけなかったようです。
(後述の計算を参照ください)
一方で私と朱雀門の間には高い三脚立てる人(新聞記者やハイアマ)もあり、朱雀門に被るのではないかとヒヤヒヤでした。路側帯での撮影であれば心配は不要のようでしたが・・・
16:50頃のの朱雀門や若草山遠望、左の方に大仏殿が見え、若草山中腹一重目には花火を準備するトラックの姿、麓を拡大すると芝生部分に多数の見物人の姿が見えます。
部分拡大(ほぼ等倍切り出し)
レンズはフルサイズ横位置なら120~135mm、縦位置なら200mm位が適当だったようです。
火が鎮まるころには十六夜の月が山影から上がってきたようですが、私は炎のピークが過ぎたと思うと程なくカメラを仕舞って帰宅しましたので、見逃してしまいました。
今後、月と山焼きが同時に見られるのは何年も先(多分2027年1月の第4土曜日も十六夜の月)になり、私にとって最後のチャンスだったと思うと残念至極!!
上記の記事は某新聞社WEB版を見て書きましたが、見事にとらえた動画がYouTubeで公開されています。
2分40秒あたりからです。
https://www.google.co.jp/search?q=十六夜の月 若草山山焼き&sca_esv=fed798ee26353a37&sxsrf=ACQVn0_ve1T6sI2bizVpEXICJxtMyMAOOQ:1707097084325&ei=_DvAZYm3E6bZ1e8Py52bqAg&ved=0ahUKEwiJpbuaiJOEAxWmbPUHHcvOBoUQ4dUDCBA&oq=十六夜の月 若草山山焼き&gs_lp=Egxnd3Mtd2l6LXNlcnAiIuWNgeWFreWknOOBruaciCDoi6XojYnlsbHlsbHnhLzjgY0yCBAAGIAEGKIEMggQABiABBiiBDIIEAAYiQUYogQyCBAAGIAEGKIEMggQABiABBiiBEipoAFQAFjBhQFwC3gBkAEAmAHKAaAB8Q6qAQYxMC43LjG4AQzIAQD4AQHCAgUQABiABMICBxAAGIAEGATCAggQABgEGB4YD8ICCBAAGAUYHhgPwgIIEAAYCBgEGB7CAgYQABgIGB7CAgoQIxiABBiKBRgn4gMEGAAgQQ&sclient=gws-wiz-serp#fpstate=ive&vld=cid:ba62b034,vid:vDQqN22-Q08,st:0
比較明合成と加算合成
例会で少しだけ紹介した話題ですが、説明不十分で理解し難い部分があったかと思いますので、補足します。
画像2枚は例会で紹介した画像の要部と部分拡大で、いずれもパソコン画面のスクリーンショットです。
左側が加算合成画像、右側が比較明合成で、合成の元画像は両者共通、撮って出しのJPG変換・リサイズしたものです。
比較明合成した画像では花火の煙が山焼きの赤い煙より明るい部分があって不自然なまだら模様を示しています。
加算合成は斑模様は消え、山の稜線がクッキリでて良い感じですが、朱雀門の白壁など完全な白飛びや色豊和の範囲拡大が目立ちます。(元画像の1枚1枚では殆ど真っ黒に見える場所も実際にはある程度の明るさがあり、加算合成すると結構うるさく浮き出てくるので注意も必要です)
山焼きと花火の合成では、比較明ではまだら模様が出ないように事前の画像調整が必要であり、加算合成では白飛びが出にくいように事前調整をした方が良いということになりそうです。
いずれにせよ事前調整が望ましいというのが今回の知見となりました。
なお、加算合成には透明度を指定して合成する方法がありますが、花火の場合は暗い空に覆われて花火が薄暗くなってしまうので検討から除外しました。
比較明合成・加算合成・加算平均の何れとも異なる?合成方法/SequatorとSilkyPix
加算合成を行うと目には黒く見える部分にも明るさがあって見えなかった風景が浮かび上がって来ることは上例の通りです。
ならば蛍撮影では、手間のかかる比較明合成をするよりも加算合成を行えば、感度を落として撮影しても背景の明るさも蛍の明るさも好結果が得られる筈、そうすれば懐中電灯や車のライトで3分とか5分の超長時間撮影を壊される危険も減る!
忘れないうちにテストしておこう!と古い画像を調べると既に3年前実施済みで数例が作品として残してありました(忘れっぽい!)残念なのは合成元はJPG変換後の画像です。
手持ちのソフトでRAW画像の加算合成が出来そうなのはSequatorとSilkyPixだけ。
前者Sequatorは星に特化しすぎている分、画面表示を見ていると通常風景にも使えるの?と言う感じでしたが無事合成完了、結果は斑模様無し・白飛び無し、後でコントラストや彩度を調整すればほぼ満足な画ができました。
SilkyPixには「多重露光(夜景)」と言う加算平均で高感度ノイズを軽減できる機能があることを思い出し、これを使ってみるとこれも結果はほぼ同じ。
両者の差はRAWデータの扱いに僅かな差は認められるも実用性の比較では差は無視できると言えるほど(SilkyPixの画は暗部から中間部にかけてやや明るく派手で、明部はSequatorがかなり明るく作品化するには若干異なる調整が必要で、コントラストを上げ白飛びを発生させると発生模様にごくわずかな差が表れる程度で実用域での差はなし=投稿画像を間違えていましたので差し替えました)でした。
Raw画像3枚をSeqatorで合成、JPG変換・リサイズ
同上を明るさ・コントラスト・彩度を調整(ややコントラストが低いが調整可能レンジは広そう)
同じRaw画像3枚をSilkyPixで合成、JPG変換・リサイズ、画面中央右側などSequatorに比べかなり暗い
同上をSeqatorと同じ調整実施(コントラスが高く締まって見えるが元画像では荒れがあった)
コメント11に対する補足説明用画像で、パソコンのスクリーンショットです。
それぞれのソフトで合成加工したままのTIF画像の比較です。
左Sequator加工画像、右SilkyPix加工画像で何れも16ビットで140GBに近い大きなファイルです。
両者に同じ加工(明るさ・コントラスト・彩度を同じ強度にアップ)
加工後の白飛び・色豊和状態で、白は白飛び、黒は白飛びも色豊和もなし、黄色はRとGが飽和、シアンはGとBが飽和、マゼンタはRとBが飽和、赤及び青はそれぞれRのみ・Bのみが飽和していることを示します。マゼンタは↓の画面では見えませんが、100%まで拡大すると僅かに出ています。SilkyPixは白飛び・色豊和がやや多いことがわかります。
合成結果からはSequatorは軟調ですが階調もしっかりしており、加工自由度が高いフリーソフトとは思えないほどで、用途を限れば実力十分のソフトと言えると思います。