てんびん@the Bisection
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2016/05/05 (木) 10:16:34
既に場は整っていた。
曲がりなりにも「大会」と銘打たれている。
いつも通り筐体はある。
相手もそこにいる、邪魔者は勝手に退いている。
「へえ…珍しいじゃねーか!」
姿勢からすれば心なしか大坂が嬉しそうに見える。
しかし大体いつもそうだったことを思い出し嘆息した。自覚はないが姿勢もまた逆境に心が躍っている。
そして自然と姿勢は口を開いていた。
「じゃあ大坂、決勝戦ね」
「は?」
「『出たい奴だけ残れ』って言ったのはアナタでしょ」
「そ、それは…」
一旦向き合えばその時点で簡単に降りる事は許されないのだ。
姿勢がそれを知っているように、大坂もまた理解している。
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