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【SSなのか小説なのか】DearlyDearlyRejection-筐体上の魔術師-【完結】 / 16

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てんびん@the Bisection 2016/05/01 (日) 20:04:17 修正

姿勢にとって自国での大型団体旗揚げは待ちに待った好機である。
何故なら最早彼女にとってのキャリアは自身のためのみならず国内女子キック界の活性化の為でもあるからだ。
油断大敵は勿論だが、自身の首を狙う若手の台頭に喜ぶ自分を姿勢はどこかで感じていた。

そして記者会見。
女子キックは市場の小さい業界だが、人気選手の出場とメジャー化を狙った団体の旗揚げ戦ということもあり、異例の規模で開かれた。

セミファイナルを戦う選手からマイクを渡され、刈谷透子が先んじて口を開く。

「えー胸を借りる立場なんで明日は思い切り挑戦したいんですが、どうせなんで今日のうちから挑戦しておきます!
 若い方が勝つ!おまえら見とけやー!どりゃああああ!!」

返って気持ちのいい透子の挑発に場内は微量ながら笑いが発生し、その間に相手の姿勢へとマイクを渡す。
透子からは姿勢の横顔しかわからなかったが、困った様な笑いを浮かべているように見えた。

「そうですね…刈谷選手はこのような部分も含めて本当にフレッシュで素晴らしい選手だと思いますし、
 戦えるのは本当に嬉しいです。私としても今日がようやくスタートラインだと感じていますので最高のパフォーンスを
 発揮するつもりです…ですから刈谷選手には明日の負けは覚悟してほしいですね」

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