1st STAGE How to CONCLUSION.1
「んあああ・・・」
大坂浩志は自室で座位の前屈をしていた。
給料のほとんどを注ぎ込んでいた頃と比べプレイ頻度は減ったが、こういった習慣だけは彼の中に残っていた。侮れないものだ、と大坂は思う。
時は常に前へは進みゆくが上下に揺れ動く、良い時代も悪い時代も歩みと共にやってくる様子はさながら株価チャートのようである。
あの闘いの日々から何年が経ったろうか、記憶をまま語れる者は既に少ない。
その数少ない者達も大坂もまた自らの歩みを考え悩み抜いていた。
それはまるで数年前と変わらない、違うのは実際に自らの将来をチップとしたゲームに乗り出している事だ。
『あの頃とは違う』と漠然と言葉で反芻するものの、何がそうであるのかは理解が追い付かなかった。
大坂は大学卒業後県外に出ていたが、転職と共にまた地元に戻ってきていた。彼のDDRerとしてのピークは恐らく大学時代である。
6年前ココイチバンで逆井、姿勢らと戦い、その後隣県のトッププレイヤーを交えて開かれたトーナメントにて敗退―
それでもDDRと共に彼の人生はあった、そう思っていた。
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