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【ポケモンSS】いつかのできごと / 1

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ガブ 0e54ab4f02 2016/11/24 (木) 21:11:50 修正

prologue

――振り返れば、楽しい時もあり、険しい道もあった。
けれど、素晴らしい旅だった。

故郷に帰ってきた今でも、時折目を閉じて、冒険の日々を思い出す。

色付き文字
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その度に、白衣を脱ぎすて、スポーツウェアを着ようと試みる。
その度に、リュックを引っ張り出してボールやら薬やらを一気に詰め込む。

色付き文字
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暫くして、私は椅子に凭れ掛かる。
『旅をしたい』と言う心に反し、体は震えだす。

体は、もう追いついていないのだ。
老いぼれた体を必死に動かそうとするが、骨は軋み、口は震え、腹の奥の方から何かが蠢き、何かが込み上げてくる。

ふと、机の上に置いてある、セピア調の古ぼけた写真が視界に入る。

あぁ……
私は、何かに蝕まれ、頭痛が絶えない頭を必死に回転させる。

節目というのか、潮目というのか。
とにかく、今が"それ"なのだ。

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  • 2

    The first chapter journey

    「ふっ、ふっ!」

    俺は、どでかい段ボール箱を小走りに運んで行く。
    重いんだよ……何が入ってんのか、ってくらい。
    しかも、中から声がするし。

    「じいちゃん! 運び終わったぞ!!」

    「おぉ、ゼレナー。ご苦労じゃったな。」

    この人は俺のじいちゃんで、オーキド・ユキナリって言うんだ。
    有名な学者で、世界にも通用するほどの技術を持っている。

    「それでは、メラーを呼んできてくれ。」

    「はぁ!?」

    メラーは俺の幼馴染で、今日、俺と一緒にポケモンを貰う、いわば『ライバル』だ。

  • 3

    「まー、分ったよ。呼ばないとポケモン貰えないんだろ。」

    「当り前じゃよ。」

    じいちゃんは、そう、笑顔で言い放つ。
    ……

    行ってきますか。

    色付き文字