1960東大理化卒同期生

御難、水難

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御難、水難
 ‘68年頃、13か月間だけお茶大の助手をしました。教授は化学教室の先輩のS先生。たまたま理学部新館ができて、引越すときにもデシケータだけは引越し業者に任せずに手運びするようにとおっしゃるほど慎重な方でした。こともあろうに、学生がきわめて合法的にバケツに水を汲んで、ちょっとだけ溢れさせてしまったとき、下の階の生物学科から「水が漏れて来たのですけれど、」 さて、どうすればいいのかな、と考えていた私に向かって先生は「君は非常のときに落ち着いてしまう癖がある!」とおかんむり。お菓子箱を持ってお詫びをして来るように、とのことでしたが、生物学科のJean団教授は日本女性よりもの静かな方で、にっこりと日本語で「気にしないで」とおっしゃいました。水漏れの原因は建築業者が上の階の排水孔と下の階の受け側を30 cmずらしてしまっていたため、排水管がつながっていなかったからでした。これは、加害者(???)だった話。

 2000年来私は住民登録をしている平塚と、自分ひとりの城の調布のマンションを往ったり来たりしています。その平塚の団地。数年前の朝、4時ころ、リビングに単調で静かなリズム。でも、何も異常はありません。部屋を出たり入ったり。やっと書棚と窓際の壁との間の20 センチほどの間に水漏れを見つけました。熟睡を中断された我が家のあるじは「そんなの聞こえないよ。君の錯覚だろ。」バケツを挟み込む余地はないので、精一杯工夫をして夜が明けるのを待って管理組合に通報。いそいそと業者が来て、斜め上の階からの漏水と分かり、数十個の段ボール箱に本を詰め始めました。最初私は箱ごとに目印をつけていたのですが、とても間に合わず断念。業者任せとなりました。本を全部出すと、カーペットの上をポリッシャーが回転し、天井まで脚立が伸びて一週間で乾燥まで終わり、本を戻す段になると適当でいいよ、と誰かさんが宣ったので、ほんとうにメチャクチャに本が並びました。(今でも私は整理し直す気になれないので、家族は誰もどこに何があるのかよくわかっていません。)水漏れ、すみませんでした、惜しげなく使って下さい、とタオルを10枚持って来られたのは子育て中の女性。それまで顔も知らなかったのに話をするようになりました。
 
そして一週間後、まさか?

 アメリカ質量分析学会に出かける直前で、ギリギリにポスターを作るべくやっと調布の家に来てみたのですが・・・浴室の天井からポタリ? 私は水漏れ恐怖から自分がノイローゼになったのだと思いました。築30年の庶民的マンションで水漏れに遭う確率がどれ位かは知りませんが、1よりずっと小さいでしょうから、その二乗は現実にはゼロのはず、でも、ほんとうに濡れるのです。まだ常識的な時間だったので、定法に従って管理組合に通報。すぐ管理会社から人が来ましたが、上の住人は外出中。それでも応急処置として業者が天井裏に吸水シートをたくさん挟み込んでくれて、私はアメリカに行って来ました。それを機会に、私と同年配で可愛い和菓子を持ってこられた一人暮らしの加害者さんとは仲良くなりました。

 その、調布のマンションの同じ部屋同士なのですよ、今回の水漏れ騒ぎは。10日前の日曜の朝、腕に水滴を感じましたが、まさか、そんなはずはない??? でも、冬ですから、冷たいのは現実です。よく調べると天井から壁を伝って伸びる繊細な一筋の線。折角知り合いになった上の階の女性は遠方の施設に入所中。日曜日。管理人さん不在。管理会社の非常対応で、とりあえず上の階の給水栓だけ止めてくれました。翌日、女性の姪御さんに連絡がついて上の部屋の鍵を開けてもらうことができ、給水管のU字接合部にヒビが入っていたことがわかりました。次いで我が家の被害状況の確認とのことで、数人の大男がものものしく立ち会う中で調査というものがありました。管理組合と保険会社との交渉が成立するまでの応急処置として5 L/ sheetという吸水シートを何枚も天井裏に押し込んだだけでなく、予備も貰いました。でも、工事はいつになるのでしょうね、お正月なのですけれど・・・

YO
作成: 2017/12/29 (金) 07:40:28
最終更新: 2018/10/18 (木) 22:45:55
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Yamagata 2017/12/29 (金) 09:57:07 ab5f4@42c01

YOさんは何だか水難の相に取り憑かれていますね。お気の毒です。

ぼくが被害者になったのは中国にいたときに2回だけで、あとは、住宅公団にいたときに1回、名古屋大学では大洪水を1回惹き起し、東京工業大学では階下に2回水漏れを起こした時の加害者でした。いまは知りませんが、あの頃の日本のコンクリート建築は、床がザルでした。

40歳の頃、青葉台の住宅公団の5階に住んでいました。最上階なので階上からの音もなし、水漏れもなしなのですが、小さな住宅で、洗濯機はトイレと風呂場の間の狭い廊下に置くしかなく、風呂場から給水、そして排水管は風呂場の敷居をまたいで風呂場のタイル越しに風呂場に水を捨てていたのです。

日曜日の朝、寝坊をして寝起きのまま洗濯機を回しはじめてから、歯を磨きながらトイレと風呂場の間の狭い空間をウロウロしていたら、排水管を足で引っ掛けて、排水が廊下に溢れ出てしまいました。

もちろんすぐに排水管を戻し、傍にかかっていたタオルを投入して、更にタオルを出してきて床の水を吸収しようと努めました。でももう、そのときには下の階の奥さんが階段を上がってきてうちのドアを開けていました。「水が漏っていますよ!」

ぼくは、まだパジャマのまま、しかも、股のところが裂けたままのパジャマのズボンを履いて、尻を玄関に向けて床を拭いていたのです。ぼくは、忙しいのと恥ずかしいのとで後ろを振り向けませんでした。

それ以来、股の裂けたパジャマのズボンを履くことは二度とありません。