柿崎だったり
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2018/05/31 (木) 22:27:09
「うそだろ……」
先輩の声で我に返った。
ぼくは尻もちをついていたが、「行くぞ」と先輩に起こされた。
面をつけた人たちが門を囲っている。そして、その中に子どもが倒れているのが見えた。あの先輩とともに助けた少年とは全く別人だ。
先輩に肩を押され、祠の立つ広場の前の坂を降りるうちに、太鼓の音が遠くなっていく。
本当に境界がぼやけてしまった――のだろうか。
もしそうなら。
ぼくはあの倒れた子を思い出す。自分たちと服装も大差ないあの子どもは……いったい……。
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