ミバch創作コミュニティ

ポケモン怖い話総合トピック / 51

55 コメント
views
10 フォロー
51
柿崎だったり 2018/05/31 (木) 22:24:54

「さ、見に行くか」
 先輩は帰ってきたなりそう言って、ぼくを祠まで引っ張っていった。
 広場の中心に立つ祠は、祠というより門だ。まさしく、そういう場所なのだと思う。既に太鼓が鳴っていて、人々が門の周りを踊りながら回っている。
 素速くこの空間を写真に収めた。松明(たいまつ)のあかりに浮かび上がる門。そして回る面。
 そうか、お面越しならば死者と生者は区別はつかない。そういう祭りで、そういう踊りなのだ。夜なのもそのためかもしれない。
 ぼんやりとしたあかりの中で、誰が誰だかわかりにくくなる。人々の境界がぼやけて揺れている。幻想的な光景は、真実幻想なのかもしれない……気がしてくる。

通報 ...