柿崎だったり
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2018/05/31 (木) 22:24:54
「さ、見に行くか」
先輩は帰ってきたなりそう言って、ぼくを祠まで引っ張っていった。
広場の中心に立つ祠は、祠というより門だ。まさしく、そういう場所なのだと思う。既に太鼓が鳴っていて、人々が門の周りを踊りながら回っている。
素速くこの空間を写真に収めた。
そうか、お面越しならば死者と生者は区別はつかない。そういう祭りで、そういう踊りなのだ。夜なのもそのためかもしれない。
ぼんやりとしたあかりの中で、誰が誰だかわかりにくくなる。人々の境界がぼやけて揺れている。幻想的な光景は、真実幻想なのかもしれない……気がしてくる。
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