柿崎だったり
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2018/05/22 (火) 23:15:59
ソノオタウンに住んでいるわたしたちには、なじみのないうえに遠い。夜に行ってその日のうちに帰ってこられるのだろうか。
「わたし、そらをとぶ使えますよ」
と親友が言う。サヤは普段本ばかり読んでいるけど、旅の経験もあるようだった。
「おお! サヤ、役に立つ!」
「でも、三人も乗せて大丈夫かな」
サヤがそう言いながらモンスターボールを投げる。
風を巻き上げながら着地したのは、立派なムクホークだった。
「こ……これなら大丈夫なんじゃ」
とわたしが言うと、サヤは首を振って
「こうみえて、ムクちゃんは25kgくらいしかないんです。一人だけでも大変なんですよ」
と言うも、一瞬翼を伸ばして畳むだけで部屋が風で散らかるのを見ると説得力がない。
「じゃあ、さっそく今日行っちゃう?」
わたしが首を向けると
「そうしよう!」
とリカが元気に答える。
外に出て、サヤのムクちゃんに試しに乗ると、凄まじいスピードで髪がボサボサになった。
「あはは……」
とムクちゃんの上で笑うも、誰にも聞こえていないようである。
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凍結されています。