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【SS】力と精神の契約 / 3

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K-9000 2018/04/16 (月) 16:30:30

『しかしまぁ、しはこうお前カラスでも好きって… 世の中広しと言えどどお前すげぇ異端だぜ?』

『いやな? あいつら動物って人間にいいものあるじゃん? 何かわかるか?』

しはこうと友人の少年はそんな会話をしていた。
どうやらしはこうは動物が人一倍好きなようで、世の中で害獣と言われるものも好むほどのようで。
その事実を知った友人は驚愕してそんな事を言ったのだ。

『…いやわかんねぇよ。 空飛びたいなんてスカイダイビングや飛行機で満足出来るだろうよ』

『いやいや 俺が言いたいのはそんなことじゃあ無いね 人間は一部違うが殆ど楽してるからな?』
『それと違って人間以外の動物は必死に生き延びようとしてる 何体も子供産んで一族を絶やさないようにしてる』
『そこに俺は敬意を示して動物を愛そうと神に誓ったわけさ』

『いや神に誓ったって…』

しはこうは動物の生きるということに対して敬意を示しているからという理由だ。
人間も生きるということは行っている。だが彼らは欲望のまま生きているものが殆どだ。
そのことをしはこうは人間をよく思わないし、それで自己嫌悪したりもした。

『フォアグラってあるだろ? あの世界三大珍味の』

『おう、あれか あれってなんでも鴨に無理やり色々食わせて太らせてストレス与えまくった鴨の肝臓がフォアグラらしいぜ? ちと拒否反応あるわ…』

『俺はアレを考えたやつを憎むね あんなの人間がうまいもの食べたいって欲望で出来たもんじゃん』
『まぁあれを無くせなんて言わないけどな… 過激になるほど馬鹿みるってモンだからな』

『そう… ところであの微かに動いてんのはなんだ…?』

しはこうは友人に言われた方向を見ると、血相変えて走っていった。
カラスが怪我をしていたのだ。しはこうの脳内では怒りと焦りが混じっていた。

『お、おい!待てしはこう! 何があったってんだよ!』

『悪い 先に帰ってるよ 話はお預けだ』

しはこうが走っていく後に血が落ちていた。それを見て友人は悟った。

『カラスが怪我をしてたのか… やれやれ あいつらしいな』

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