私の向日葵~side,ちゃむ~
好き。ずっと好き。
私を大切にしてくれるこの人のことがずっと好き。
彼女と一つになっている時だけ私は素直になれる。彼女はとても優しく抱き締めてくれる。
綺麗な群青色の髪をした彼女の名前はあぐかる。
私によく向日葵みたいと言ってくれる。
向日葵かぁ、そっかぁ。彼女からしたら私はそんなに綺麗に見えてるんだね。
「向日葵の花言葉、知ってる~?」
シーツにうずくまった彼女が不意に微笑みながら言う。その様子は何とも愛らしかった。
「知らないなー。教えて?」
「“私はあなただけを見つめる”」
彼女はいつもより少し優しい声で私に教えてくれた。
“私はあなただけを見つめる”かぁ、素敵だ。
彼女が言うように私が向日葵なら私は彼女だけを見つめているということになる。
彼女は私にそうしてほしくて私を向日葵に例えるのだろう。
「ごめんね。」
私は小さく呟いた。
「え?なんか言った~?」
「何でもないよ!素敵な花言葉だなって。」
あわててごまかす。
ごめんね、私はあなただけを見つめることはできない。
あなたの向日葵にはなれない。
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