エマ
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2018/02/04 (日) 17:11:20
途端に、目の前がふらっとした。
いや、ふわっとした。ええと、ぐらっ、の方が、あっている気がする。はたまた、ゆらゆら、としている。どれにも当てはまっている。当てはまってないことはない。違う、全部間違っている。間違っているようで、でも、何が間違っているのか、説明できない。
ぐるぐるとしている。服の上の、赤色が弾けた。心臓の形になって、飛んでいった。服の白が溶ける。ふと目の前に、ビビットピンクの色をした兎が、子供が絵に描いたような兎が、二足歩行を始めた。大人の顔ほどの大きさの懐中時計を背負っている。不思議の国のアリス。だがそれを追いかけているのは緑色の顔をした白雪姫。青色が弾ける。兎の耳が取れた。白雪姫は、それにむしゃぶりつく。後ろから、カエルの顔をした大男が迫っている。白雪姫は気付かない。緑色が弾ける。白雪姫の首が飛ぶ。黄色の血がぷしゅぷしゅと音を立てて飛び出て、飛び出た血はニワトリになった。クジラが空を飛ぶ。東洋人がそれを捕らえる。クジラと東洋人は大男に潰された。楽器、大太鼓を持った兵隊、腕が無い。腕がないから、頭で叩いている。横から見れば、薄っぺらい。頭。可哀想。
これ、おかしい。目眩というものだろうか。違うと思う。明らかに違う。いや、合ってる?ヒツジは、合ってるよ、と教えてくれた。合っている。これは目眩らしい。
視界の端でさっきのそいつが綺麗な姿勢で待っている。汚い。そいつも一緒に踊れば良いのに。踊ろう。そうしたら、きっと厭じゃなくなる。水色の豚が自分に迫る。空からナイフが降ってくる。茶色のユニコーンに潰される。自分は多分死んだ。
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