アンリエッタ・クロイツェルレフェルン(Requiem)の魔術(呪術の副産物的能力)、
かつて負の呪いは彼女の肉体を媒介に人体を模す事で辛うじて成形されていたが、彼女の精神的成長、および心臓部の聖杯という憑代の獲得に伴ってある程度ヒトの容貌から乖離しても安定化する様になった。
これによって実際の腕では無い部分からも生やす事が可能となり、対HCUでは多種類の腕を何本も展開して戦闘を行う。
此処では主に使用する四種の腕を紹介する。
・
先端が尖った管のような腕。動作が速く正確で、長距離の伸張が可能。
幾本も生やして伸ばす事で多数の敵にも対応可能だが、ある同業者に「イソギンチャク」と形容されて以降はあまり持ち出さなくなった。
細く強度も低いが、対生物・対霊体であれば呪詛の効果によって十分な致死の脅威となる。
違法回収業者等の対人戦において強力。
・
蟹のはさみのような二本指の腕。
より太く巨大となり、単純な破壊力に優れ、重機のように対象を破砕できる。
伸縮性がなく精密作業に向かないが、「凄鋼」をボロ切れのように捻じ切り、叩き潰す程の膂力を発揮する。対HCU戦の主力。
・
クレーンのような三本指の腕。
『指』以上に伸縮性に富み、なぎ払いなどの範囲攻撃に使えるほか、精密な作業に向いている。物体の投擲や正体不明の物質の調査、遥か遠くの危険地帯に存在する目標を掴み取るなど、主に斥候に活躍する事が多い。
・
五本の指を持ち、器用さと力を兼ね備えた万能の腕。
巨大かつ長大、伸縮可能でさらに力も強いが、心臓に眠る負の怪物
彼女がこれを持ち出すのは強力な敵を相手取る時、あるいは多数のロストHCUを相手取る際など。
・
自ら全身に負を露出させ、悪性の呪いの許す儘に暴れる状態。心臓部の呪詛が顕在化した怪物である
彼女の精神力如何に関わらずこれを増長させる事は”悪意を許容する”事を意味する為、当形態時には彼女の自我や自意識は存在しないと言ってよい。共生すれども共存はしていないのだ。
変身時に定めた極めて大雑把な目的(「正面突撃」「迂回して突撃」「南に撤退」等)を実行するなど行動に指向性を持たせる事は出来るが、基本的に敵味方、生物非生物を問わず、おぞましい悲鳴のような叫び声を上げながら目に付いた物体に片端から攻撃を加えようとする。
とは言え心臓部が破壊されない限り即座に再生される耐久力、何もかも破壊するが如き暴力は無二の強力さを誇り、窮地からの脱出や劣勢の逆転など、彼女や同行者の命を救った場面は多い。
使用後は体力をほぼ使い果たし、全身に痣のような紋様が浮かび上がり、激しい筋肉痛に襲われる。