アルメア・ギャレット:天使ラーメン
2019/12/31 (火) 23:00:25
>> 88
アルメアは小食な方だ。リーベルス一門にて冷遇を受けていた頃に、せめて妹たちには満足に食べさせてやろうと自分の食い分を大きく減らしていたのが三十路間近となっても尾を引いている。そんな彼の胃容量に照らし合わせれば目の前の怪物(ラーメン)は約50食、実に二週間以上分の食事量に匹敵する。仮にアルメアが成人男性なりの胃容量を備えていたとしても、スープだけでそれを優に越える量のはずだ。
しかしアルメアは神話のレビヤタンの名を冠するに相応しいソレを前にしても未だ涼しげな表情を崩さない。それどころか歪む空間をものとせず上品に手を合わせ箸を割った。
「いただきます」
日本古来の食事前の呪文を唱える。そしてアルメアはペース配分を振り捨てる勢いでレビヤタン特大ラーメンを啜り始めた。
やけになったのか。ギャラリーの誰もがそう思い落胆の息を漏らす中で唯一ある人物だけは「まさか」と低く呟いた。
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