アンリエッタ・K/"悪竜"のライダー
2019/12/16 (月) 20:55:34
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「クロ姐て…まだその呼び方してんの?」
呆れたように、どこか照れているかのように、少女は頬を掻く。
仇名で呼ばれ慣れていないのだろうか。少しばつが悪そうに、視線を得体のしれない"それ"の方へ移し。
「のんきな事言わないの。この程度じゃ平気だろーケド──────変なの居るし。」
遠巻きにじっと、彼女は辛うじて人型なのであろう、謎の存在を注視する。
「(……ロストHCU?いや……何かすらわからない…)」
機械を停止させてくれるのは有り難いが、あれが何であるのかは調べる必要があるかもしれない。
彼女は静かに、左手に異形腕を形作った。
「あんた、離れてて」
眼下の少年に声をかけつつ、"腕"を伸ばし、刺激しないように触れてみようとする。
腕は彼女の肉体ではない、魔術的なものだ。万が一危険でも、彼女にとってはこれが最良といえる接触の方法だった。
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