影見ツクシ/スバル
2019/12/31 (火) 21:14:29
>> 60
「……年越しそばじゃなくて年越しうどん? 強欲な……」
「? としこし? うどん ごうよく?」
「ああ。この年越しそばっていうのはね……」
年越しそばならぬ年越しうどんを売る出店がふと目に留まり、つい零した言葉を一々とスバルに解説する。こういうのはセンセイの役割じゃないかなあ、とぼんやり思ったツクシが、掛けられた声に振り返ると、見覚えのある顔がいた。
「ああ……リットさん。こんばんは」
「こんばんはです。やっほー?」
控えめに会釈をするツクシに対し、スバルはふりふりと手を振る。あまり意味は分かっていないようだが、楽しそうな顔をしている。
「リットさんも、年越しを待っていらっしゃるんですか?」
もぐもぐと食べ続ける少女と、それを支える二羽の鳥を見比べ、鳥達に同情の目線を送りながら、それとなく問いかける。いつもこんなに食べているのだろうか。
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