皇ハルナ:天使町
2019/12/31 (火) 21:13:28
「…………」
テレビを消す。
外から入ってくる情報は、いつも心底辛い時の励みになるものだ。
ただ、時間の流れを感じるものだけはいただけない。
「神戸」ができてから何年経っただろう。
事故が起こってから
私たちに羽が生えてから
私達は、これで何年この鳥籠に閉じ込められているんだろうか。
コンテナを漁り、銃を手に取る。
こんな時期に仕事なんて、風情もへったくれもない。というか、組合は依頼を出して貰えるだろうか?
それでも、過去を懐かしむよりは、今に埋没してしまいたい。
仕事に意識を集中させていきたい。
何も考えたくない。
「――――――はぁ」
空振り。
組合長―――『最初の回収業者』が応対に出てきて、直々に断られた。
曰く、休める時に休めなくなると命が危ないですよとか。相変わらず呑気な人だ。
結局はHCUがバタバタしてるのもあって、直営も個人も今日明日と勝手に動くな。ということだ。
こうしてヤケクソを即座に禁止されてしまった訳だが、果たして如何に時間を潰すべきか。
「―――ラーメン、食べようかな」
まぁ、自堕落に発砲するよりはまだ健全だろう。
とりあえず掴んでいた銃を仕舞いなおして、町の中にあるラーメン屋に脚を運んだ。
通報 ...