水木トウマ
2019/12/31 (火) 21:03:27
天王寺
「ご馳走さん! こっちの蕎麦も悪くねぇな。 しかし、蕎麦湯ねぇのが信じられねぇ
蕎麦湯まで飲んでこそ蕎麦ってもんだろうが」
年季の入った蕎麦屋から、上機嫌で出てきた男がいた。
男、水木トウマの顔は赤い、年越し蕎麦のついでに一杯引っ掻けたようだ。
あーだこーだ言いつつも蕎麦の味には満足だったらしくいつになく上機嫌で街を歩く。
相棒であるケルベロスは寒い中外には出たくないと家に籠っている。
年末の街中というのはどこも店は閉まり、人がいないと言うのにどことなく祝い事のような雰囲気があってトウマはそれが好きだった。
「ん……確かこっちは?」
だが、そんな独特の雰囲気とは違う賑やかな気配を感じトウマは首を傾げた。
方向と声のする距離を頭の中に入れた地図で照らし合わせ何があったか推察する。
「あっちは住吉大社か……二年詣りには早いが行ってみるか」
(あ……ボスが出てるのに紅白見るの忘れてた。ま、ケルベロスが録ってるだろ……)
トウマは軽やかな足取りで鼻歌なんて口ずさみつつ住吉大社へと向かった
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