リコリプレス
2019/12/16 (月) 21:39:05
「キキ…」
神戸での喧騒を遠くから見つめる影があった。
その姿は人ではない。類人猿のシルエットだが、その頭部には犬科の獣のようにマズルがあり、ピンと張った三角の耳のある奇妙なキメラだ。
それは、獣雷のアルターエゴと名乗り、呼ばれるサーヴァントの使い魔。
その中でも本体と直接接続された端末の一匹だった。
「なーんか騒がしいと思ったらぁ、また派手にやってるわねぇ」
使い魔に隻眼を接続したリコリプレスは、僅かな間に損得勘定を巡らせる。
周辺には使い魔が何匹か巡回している、首を突っ込む事も可能だし、中々楽しそうな事になりそうだが……
「デメリットの方が大きいわねぇ……主催者様も見つかってないしぃ、ここは監視に留めて置くわ
ぁ」
至極残念そうにため息を突くと、リコリプレスは周辺の使い魔を警戒モードに移行させ、端末との接続を切断した、
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