kagemiya@なりきり

泥モザイク市 / 158

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ノイマン[ハービンジャー] with イライザ 2020/05/15 (金) 21:28:22

「うぅーん……久々に外に出ると日光が眩しい……」
「普段外に出ないどころか窓すら開けないからですよ……」

白衣を着た男が、目を細くしながらふらふらと繁華街を歩く。
それに付き添うように────あるいは、介護するかのように、一人の少女が寄り添って歩く。
男の名は、ジョン・フォン・ノイマン。『悪魔の頭脳』とさえも恐れられた、20世紀最大の天才科学者。
隣を歩く少女の名はイライザ。人工知能の魁として作り出された、応対式人工無脳プログラムに与えられた名が英霊となったものである。

さて、彼らは本来は左京の一角、誰の目にもつかぬように隠された知識の蓄積所、
統制局(セラエノ)」に勤める2人であり、その知識はもはや左京の中枢を担っているといってもいいほどに高い。
そんな彼らが何故日の当たる場所を歩いているかと言うと、イライザがある日のノイマンを見かけた事に由来する。
いつものようにヒストリー・マイニングをしていた所、身体が動かないという事にノイマンは気付いた。
原因を調べたところ、どうも食べ過ぎと運動不足によるものと分かったイライザは1つの結論を出した。
『このまま出歩かないと牛になっちゃいますよ!』
かくして彼らは御苑のバザールを出歩くこととなっていた。すると────

「ん? 267m先に24人の人だかり……あ、2人足を止めて増えた。どうする? 行ってみるかい?」
「気になりますね。行ってみましょう」

そう言うと、2人は若干歩く速度を速めて人だかりへと向かった。

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