リゥ・ペンリ
2019/12/16 (月) 21:38:18
と、そんな話があったのも数十分前。
下手くそな鼻歌を歌いつつ断線現場に到着したリゥの前に現れたのはは無残極まりない破壊の跡。断線どころかレール換算で9つ分が"消滅"していた。うわぁ。リゥの口から思わずそんな声が漏れた。
これだけ直すのに何枚の申請書類と何回の出撃が必要になるだろう。ここ近辺は無人機が多く邪魔が入りやすい難所。スムーズに作業するには同行者は絶対に必要だが、露払いを雇うにも「港町」に一旦申請しなければならないうえに、このエリアに連れてきて自力で生き残れる知り合いも思い当たらない。リゥの目は煩雑な未来を見て虚ろに染まりいく。
そして、無になった心がふとドンパチ聞こえてくる方向に気づいた。誰かが戦っているらしい。
『……なら手伝わないとダメだよな。ふ、ふふ、ふふふふふふふふふふふ』
目のすわり切ったリゥは音の方へと旋回すると『クルージーン』のアフターバーナーを全開に火をともした。振り上がった拳とやり切れない思いを晴らすために。
いわゆる八つ当たりだった。
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