kagemiya@なりきり

影見ツクシの日記帳 / 8

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20XX/○○/○○ 学校
死にそうになって宿題を片付けた後、今日は終日学校へ。これまで貯めていた授業時間を取り戻すためっていうのもあるけど、仕事の後はセンセイにも顔を見せて、無事だって伝えないとだった。
授業の後に仕事のてん末を伝えると、いつも通り、困ったように眉を垂らして、それでも笑いながら、センセイは頷いてくれた。よく頑張ったな、って。なんだか気恥ずかしくて、そっぽを向いてしまった。
……昔よりは、だいぶセンセイと顔を合わせる機会が減った。私が中学に上がる前後……逃がし屋稼業を始めてからだ。授業のこと以外で話をすることも、少なくなってしまった。
あの頃は、私も結構センセイについて回ったりしていた。時々、お昼ご飯まで奢ってもらったりしたこともあった。それだけお世話になったし、今もお世話になってるのに、私は、センセイを避け気味だ。
仕事のことでさえ、うねりさんの仲介に、意図的に頼っているという節はある。あの人を間に挟めば、センセイとは直接会わなくても済むからだ。
私自身、センセイの顔を見るのが、少し気まずい。小学部で出会ったときから、ずっと気にかけてくれている。なのに、私がこんなことを始めてしまって。……レムちゃんのことがあってから、尚のことそう思うようになった。
子供がこんな危ない橋を渡ろうだなんて、そんなことは考えられもしないって、センセイは言っていた。戦争より前の世界だと、きっとそうだったんだろう。
でも、今はこういう世界なんだ。頼るあてのない子供を助けてくれるところなんて、ほんのひと握り。それと縁がなかった私は、自分なりに生きる方法を探すしかなかった。
それで辿り着いたのがこんなことだったんだから、私自身、あまり胸を張れはしないけど。いくら私が心の中で夢を持っているとしても、私はセンセイに、私がレムちゃんに感じるのと同じ思いをさせている。そういう後ろめたさも、多分ある。
……クヨクヨ考えていたって、仕方がないんだけど。

今日はセンセイの授業の後、河合先生と相良先生の授業を受けてから、寄り道せずに家に帰った。途中でラヴェンナさんに会ったけど、ペット探しで忙しそうだったから、声をかけないでおいた。
あと、坂井のおじいちゃんが駅前で掃除をしていたのも見たな。タイミングを見て、お手伝いをしにいった方が良さそうだ。
家に帰った後は、これといって特に何もなかった。精々、都市情報網で情報をちょっと見てたくらいで……そこで、都市戦争が佳境を迎えそうだっていうのを見た。
この頃になると、三都の辺りには人が大勢増える。私達みたいな仕事をしている人間にとっては、良いことでもあり、悪いことでもある。でも、もし仕事があったら、人の群れに押し潰されるのは決まり切ってるから、できれば仕事は来ないで欲しいものだ。

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