20XX/○○/○○ 梅田の往復
今日は坂井のおじいちゃんのお手伝いをした後、「梅田」へ。またエマノンさんが往復を手伝ってほしいと連絡してきた。
あの人は……何なんだろう。不定期的に、あの迷宮近くへの送り迎えを、逃がし屋としての私に頼んでくる。決して肉体的に強い人ではなくても、ちょっとしたチンピラくらいなら、あの人はあしらえるはずなのに。
態々私に頼んでくるということは、それなりに何か意味があるとは思うんだけど、今の所それもわかっていない。
ひとまず、行きと帰りで体調を極端に崩した、ということはなかったと思う。いつも真っ白な顔と肌色だから、断定はできないけど。
ただ、今日はいつもより疲れていそうだったかもしれない。帰りに、漢方系の栄養剤を差し入れしてあげた。
迷宮前のお店で売ってるやつで、たまーに一般市場にも流れてるから、極端な刺激物でもないはずだ。
そういえば、お店の前で、小さな双子を見かけた。あんなに小さいのに、迷宮に潜る探索者らしい。
口喧嘩でお互いに何か言い合っていたみたいだけど、そういう見た目相応の所とは裏腹に、何となくその雰囲気は魔術師寄りだった。
……あの歳から何故、迷宮に魔術師が潜っているのか。何となく、浮かぶものはあるけど。人様のことには首を突っ込んではいけない、そういうものだ。
通報 ...