20XX/○○/○○ てんやわんや
しばらく書いてなかったから、いくらか、掻い摘んで書く。流石に全部の日付分は書けないから、何日か分に分けて。
寝込んだ日の翌日、いつの間にか、センセイが来てた。上着は脱いでたけど、いつも通りのスーツ姿で。気付いて起き上がろうとしたら、無理はするなって寝床に押し戻された。
わざわざ携帯用のガスコンロとかまで持ってきて。ぼんやり頭で私がじっとしてる間に、おかゆとか作ってた。刻みネギはともかく、塩の入れ過ぎでしょっぱかったし、なぜか入ってた生姜の風味も強くて、味の癖が凄かった。食べたけど。
新品のタオルとか、スポーツドリンクとか、他にも色々買ってきてくれてた。スポーツ選手用の冷感シートが、熱の時におでこに貼ると気持ちいいだなんて、初めて知ったかもしれない。脇に貼れって言われたのはちょっと引いたけど。そっちの方が早く熱が逃げる、とか。
その後は……特に、何もなかった。流石にこれ以上のことをしてもらうとなると、色々見られそうでイヤだったし。無理を言って帰ってもらった。
でも、あんな風に面倒を見てもらうのは、多分私にとってすごく久しぶりだったから。嬉しいのは、嬉しかった。
それで、まぁ、なんというか。そんなことでも元気づけられたのか、翌日にはすっかり熱も引いて、歩けるくらいにはなってた。
ここまで来て面倒を見てくれるのは、センセイくらい。だから本当に感謝はしてるんだけど、何というか、気恥ずかしい。このところ顔を合わせないようにしてたから、尚のこと気まずい。
熱が下がってからしばらくそんな風にうーうー唸ってたんだけど、そんなことを言ってられないようになった。
端末に届いていた、仲介抜きの依頼メール。依頼元は……札幌だった。
通報 ...