kagemiya@なりきり

第五次土夏聖杯戦争SSスレ / 9

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「」んかくん 2020/06/13 (土) 02:40:55

「ふぅん。いやに素直に信じるんだね。ひとまずの協力関係とはいえ私は君のサーヴァントじゃないんだよ」
「だって、キャスターは筋の通らないことは嫌いでしょ?
 自分からそれを捻じ曲げるとは俺には思えないよ。
 それに他ならぬキャスターが編んでくれた礼装だ。織り手アラクネの外套なんて凄く心強いよ。ありがとう」
「―――…………」
何故かキャスターは口をぱくぱくとさせた後、眉を寄せて俺を睨んだ。
菫色の髪を神経質に指へくるくる巻きつけ弄んでいる。何かを誤魔化すかのように。
こころなしか、キャスターの白い頬にはいくらか赤みがさしているようだった。
「君は、なんだ。誰にでもそういうことを言うんだね」
「誰にでもって、そんなわけないじゃないか。
 確かにこの関係が終われば敵同士かも知れないけど今は味方だ。なら本音だってぶつけるよ。
 最初こそ酷い目に合わされたけど、あなたには世話になった。ならきちんとお礼を言わなきゃ気がすまない」
キャスターは自分の髪を弄んでいた指で頬を掻くと、くるりと後ろを向いた。
「………やれやれ。この私としたことが可愛いだけの子犬と見誤ったか」
俺には聞こえない独り言を呟いて、それから横顔だけ見せて微笑んだ。困ったように、眼尻を下げて。

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