kagemiya@なりきり

第五次土夏聖杯戦争SSスレ / 47

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召喚:ランサー 2020/07/17 (金) 09:38:26

「……分かった。ランサーには、私がマスターって言う自覚が無いのね。」
「そう言う事なら、早く私を認めさせないと。」

「?……待て、何故そうなる?」

「あなたがそう言ったんですぅー。」

「???」

怪訝な顔をするランサーを尻目に、言葉を続ける。

「……でも困ったな。真名が分からないと、あなたがどれぐらい強いのかも分からないから。」

「それならば問題ない。貴方がマスターであればな。」
「(……契約(パス)を介して供給されるこの魔力量……彼女が卓越した魔術師である事に疑いの余地はない)」
「(見た目は若いが、才能も実力も申し分ない。私も全力をもって戦えるだろう。……精神面が如何かは、今は判らないが……)」

「─────ふーん。」

こちらを信用してるんだか、信用してないんだか。……いまいち真意が掴み取れないサーヴァントだが、それでも問題無いと言う程度には、腕に覚えがあるということだろう。
ならば私はマスターとして、彼を思う存分に使うまでだ。

「ならランサー。さっそく仕事があるんだけど。」

「早くもか。良いだろう、ただ私は貴方の槍として、道を阻む障害を─────」

ランサーが決め台詞を言うか言わないかといううちに、私はクリップどめされた大量の書類と電卓を渡した。

「────────ん?」

「うち、花屋やってるの。それ今月分の収支。朝までに計算しておいてくれると助かるな。」

「─────────」

呆然とすること十秒。
ようやく思考を取り戻したランサーは、地下室から出ようとする私を急いで呼び止めた。

「……百合、これは……」

「使い魔、でしょ?寝なくても良いのは知ってるんだから。私は明日に備えて寝るけど、よろしくね。」

「それは、そうだが……」

「マスターは私。貴方はサーヴァント。いい?」

ここまで言ったら流石に反論も出来なくなったと見える。黙って机に向かって書類を広げ始めたのを確認すると、私は二階の自室に戻って行った。
……私がマスターって事は、まず分からせられたかな。

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