kagemiya@なりきり

第五次土夏聖杯戦争SSスレ / 34

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メルブラ的なアフター 2020/06/28 (日) 01:57:56

2009年7月、土夏市で行われた5度目の聖杯戦争は密かに終結した。
参加者達は元の生活に戻る者、傷を癒す者、休養を取る者、それぞれ理由はあれど未だに土夏市に滞在していた。
そして、夏が終わり秋に差し掛かる数ヶ月が経った頃。
土夏市の女子学生を中心に奇妙な遊びが流行り始めた。

「ねぇねぇ、茉莉ちゃん知ってる? M様の噂!」
「M様?なにそれ?」
「梅村、またどこかから変な噂を聞き付けてきたのか」
「変じゃないよ太桜ちゃん!柔道部の先輩に教わったの!」
「それで、M様って?」
「うん、M様って言うのは噂っていうかおまじないかな? みんなで集まってM様を呼び出すと願い事を叶えてくれたり、未来を当ててくれるんだって!」
「えー……」
「胡散臭いことこの上ないな」
「なんでそう言うこと言うの!」
「おーい、松竹梅! 下校時間は過ぎてるぞ、遊んでないで早く帰れ」
「あっ、黒瀬先生ってことはもうそんな時間?」
「ほら、梅村帰るぞ」
「もう!そうやってちゃんと海深のきかないんだから!」
「気を付けてな! ……M様、か。これは不味いかもしれんな」

「トエー、私にはM様って遊びが私達を集める位の事とは思えないのだけど」
「君たちは知らないかもしれないが、90年代の日本ではこっくりさんというものが流行っていた」
「コックリ=サン? なにそれ呪いの一種?」
「魔術師のいうところのテーブル・ターニングよ」
「その通りだ狐、狗、狸でこっくりさんと読む。科学的には意識に関係なく体が動くオートマティスムの一種だが…」
「魔術的には所謂動物霊を降霊させる簡易儀式ね」
「その辺りは流石に君たちの方が詳しいか。90年代のオカルトブームは病的でな、魔術の知識もない学生でさえ降霊術が広まる位……私しか知らないか」
「聞いたことくらいはありますけどそれがなにか問題があるんですか?」
「そんな事も分からないの坊や?呼び出すのが動物霊であれば良い。だが、聖杯戦争の跡地、魔力や怨念が溜まっている土地で行えばどうなると思う?」
「推察になるが、動物霊でないものが呼び出されるということか?」
「正解よ、サーヴァント達の残存魔力につられて下手したらサーヴァントもどきが呼び出される可能性があるってことね」
「ヤバいじゃないですか、先輩!」
「ええ、かなりマズいわ。本来であれば自然に消費され減っていく筈の方向性のない魔力が噂、都市伝説という指向性を得て良くない形で現れようとしている」
「それはまるで……」
「その言い方だと似たような現象を知っているの?トゥーリベルク、クロセ?」
「トゥーリベルク女史と情報を付き合わせたが……」
「先生が言い淀むなら私が代わりに言おう。あり得ない事だが、今の土夏はタタリと呼ばれる霊的象の前段階に近い状態だ」
「タタリ……」

そして、闇の中よりあり得ざる9騎目のサーヴァントが顕現する。

「サーヴァント、アサシン。召喚に応じて推参した。問おう、貴公が小生のマスターか?」

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